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7月24日(木) ますます明らかになった「反転」の必要性 [規制緩和]

 昨夕、研究所で、前期の打ち上げを兼ねた歓送迎会が行われました。しかし、仕事はまだ残っています。
 25日(金)に、「大原ネットワーク」の立ち上げとシンポジウム「大原孫三郎の遺したもの」が開催されます。これが終わると、夏休みです。
 大学の夏休みは8月1日から9月13日までとなっています。この間、研究所の閲覧は可能ですが、土曜日は休みで午後4時には閉館となりますので、閲覧者の方はご注意下さい。

 それにしても、驚きました。またもや、無差別殺傷事件の発生です。
 それも、私の住む八王子での事件です。京王線の駅ビル9階にある「啓文堂書店 京王八王子店」で本棚の整理をしていたアルバイトの女子大生が、見知らぬ男に突然、胸を刺されて亡くなりました。客の女性も切りつけられたそうです。
 誠に痛ましい事件です。逮捕された男は「仕事がうまくいかず、両親に相談したが、のってくれなかった」「無差別に人を殺そうと決意した」と供述しているといいます。

 またしても、「仕事」が背景にあったようです。現代の働き方が、このような形で人間を歪めてしまうということなのでしょうか。
 仕事で悩みを抱えていたという点など、秋葉原の無差別殺傷事件との共通性があるように見えます。「仕事がうまくいか」ないことが、「無差別に人を殺そうと決意」する原因になりうるような社会を、どう考えたらよいのでしょうか。
 働き方のゆがみが、社会のゆがみを生み出しているように思えてなりません。労働のあり方における大きな変化が、社会の崩壊を引き出しているのではないでしょうか。

 22日、厚生労働省は08年版「労働経済の分析」(労働経済白書)を発表しました。企業が競争力強化のために進めたパートや派遣など非正規雇用の拡大が、かえって生産性の上昇を停滞させていると指摘されているといいます。
 日本型の長期雇用に戻って人材育成に力を入れ、1人の生み出す付加価値を高めることが人口減少社会で経済発展を持続させるカギだと提言しているそうです。市場原理主義や成果主義を見直し、ステークホルダー論に立ち戻るように勧めているというわけです。
 このような主張もまた、新自由主義政策からの反転にほかなりません。新自由主義によって壊されてしまった企業と社会の再生は急務だと言うべきでしょう。

 「YKKトリオ」の一人であった山崎拓自民党元幹事長は、21日に大津市での講演で「小泉時代は終わった。単に構造改革を唱えるだけでは日本が持たない」と述べたそうです。盟友の小泉元首相の構造改革路線に決別宣言をしたとして、注目されました。
 山崎さんは「小泉政権がなければ自民党はもっと前に衰弱していたが、一時立ち直った」と評価しつつも、その一方で「もうポスト小泉だ。地方を活性化しないと、東京一極集中だけで国は伸びていかない」と強調し、福田首相が力を入れる中央と地方の格差是正路線を支持したそうです。

 YKKの盟友であった加藤紘一さんに続いて山崎拓さんからも、小泉構造改革路線は引導を渡されたことになります。そのうち、小泉さん自身、こう言い出すかもしれません。
 「人生いろいろ、改革もいろいろ。何が構造改革かだって。そんなこと、今私に聞かれたって分かるわけがない」

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