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10月23日(金) 格差は政治の責任 [論攷]

〔以下のものは、厚生労働省による「相対的貧困率」の発表に対して寄せた談話です。『産経新聞』2009年10月21日付に掲載されました。〕

格差は政治の責任

 「やはり」というのが率直な感想だ。これまで言われていた貧困の拡大、格差の増大が初めて具体的な数字で示された。平成4年、宮沢内閣の生活大国5ヵ年計画の理念は「物質的な豊かさから精神的な豊かさへ」だったが、十数年で日本はここまで“転落”した。14年から今回の調査年の19年まで続いた戦後最長の景気拡大で大企業は潤ったが、利益が一般国民に行き渡らなかった。これは富の再分配政策を取らず、むしろ規制緩和で非正規労働、ワーキングプア(働く貧困層)を増やした政治の責任だ。政権交代もその結果といえるが、政府は貧困世帯の生活再建へ緊急に取り組まなければならない。


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コメント 2

暇人

貧困拡大の原因は、デタラメな教育政策です。
受験競争で時代遅れの知識を詰め込まされ、世界最低となった大学に進学すれば、生活に困窮し自殺者が出るのは当然です。
各地の母親グループやPTAが「『おバカ教育』の構造」(阿吽正望 日新報道)を読む活動を始めたのは、教育の危険に気付いたからです。
すべての子供に、不登校、引きこもり、ニートとなり、犯罪や暴力に巻き込まれたりする危険があります。すべての親にとって、子供が低所得者となり、結婚できず、ホームレス、ネットカフェ難民になることが、現実の問題となり始めています。
そのため、子供を守り、家庭を守り、生活を守るために、教育システムを根本改革しなければならないと、多くの人が気付きました。
教育の改革を求める親や若者の行動は、全国に拡大していきます。
なぜなら、質の高い教育を受けることが、生存に必要な時代となったからです。必要が、発明も革命も生み出します。

by 暇人 (2009-10-23 08:20) 

山田

相対的貧困率は、国民の年間所得の中央値の半分に満たない人の割合

1.人口の5%が年収10億、残りの95%が年収10万の国
2.人口の60%が年収801万、40%が400万の国

1の国は相対的貧困率は0% (中央値は100万だから5万未満が貧困)
2の国は相対的貧困率は40% (中央値は801万だから、400万5千円未満が貧困)

相対的貧困率で考えると、北朝鮮とか、アフリカの資源国は
ものすごくパーセンテージが低い優等生になりますね。
いやまじめな話、失業率が20%を超えている南アフリカなどは、
中央値がゼロってことで、相対的貧困率は0%ってことになるのでしょうか?

また、相対的貧困率の算出方法では、年功序列の給与体系であるほど
格差がある社会ということになるのでは?
仮に生涯賃金が同じであっても、
就職時から退職時まで年収500万をもらいつづけるシステムと、
若いときは年収200万、徐々に給与がアップして最終的に800万になるシステムでは、
年単位で区切った場合、中央値以下になる人が出る年功序列の方が、
相対的貧困率は高くなりませんか?

さらにいうと、今回の相対的貧困率は2006年か2007年のデータを基に
出されたと記憶していますが、
このころから現在にかけては、ちょうど団塊世代の定年退職の時期と重なります。
きちんと調べてないので正確ではないかもしれませんが、
毎年60歳になった世代が退職金で所得がグンと増えて、
その翌年以降所得が限りなくゼロに近くなるというパターンになるかと思います。
資産ではなく、所得を基にした計算ですから。
日本でもっとも人口の多く、年功序列で多くの収入を得てきた世代が
高所得者から一気に「貧困層」になるという図式が成り立つのではありませんか?
これが、相対的貧困率の数字にどのような影響を与えるのか?
おそらく中央値が下がって中央値の半分未満という「相対的貧困ライン」は
下がるが、
人口の多い団塊世代の大半は所得の低い貧困層ということになるので
相対的貧困率は上がる…ということになるのではないかと。
間違っていたらごめんなさい。
これは、60歳定年や退職金制度が整っている日本特有の問題になりますが。

さて、長々と書き込みしてしまってすみませんが、
ここまで読んでいただければ、「何かおかしい」ということに気づいていただけるかと思います。
結論としては、「相対的貧困率」はいったい何を示す数字なのか?
はたして、貧困や格差を示す指標として適切なのか?
正直私は疑問に思っているわけです。
たぶん役所が今まで公表してなかったのもこれが理由なのではないかと。

自分の身に直接かかわっていることですから、
私は貧困や格差の問題の重要性はよくわかっているつもりですが、
このような何を示すのか不明瞭な指標を基に、
公の場で軽々に論じるというのは、正直いかがなものかと思われます。
先生のご意見をお聞かせ願えないでしょうか?
by 山田 (2009-10-24 10:47) 

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