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1月7日(木) 藤井財務相の辞任は鳩山政権への打撃となるか [政局]

 藤井裕久財務相が辞任しました。健康問題が理由です。
 後任は、菅直人副総理が兼務することになりました。これは鳩山政権にとって大きな打撃になるだろうとの見方があります。
 しかし、そうでしょうか。私は、そうは思いません。

 以前、西松建設問題で小沢代表が辞任し、鳩山さんに交代したときも、同じように大きな打撃となるという見方がありました。しかし、小沢辞任は民主党にとって打撃になったでしょうか。
 かえって、民主党の看板を代えてイメージを好転させ、総選挙での躍進にプラスになったのではないでしょうか。辞任した小沢さんも背後に回って得意の選挙活動に専念でき、かえってよかったのではないでしょうか。
 確かに、追い込まれた形での辞任ではありました。しかし、辞めた小沢さんにとっても、代わりに代表になった鳩山さんにとっても、また、代表が交代した民主党にとっても、この代表交代は決してマイナスではなかったように思われます。

 今回も、同じようなことが言えるのではないでしょうか。少なくとも、通常国会での予算審議の最中に藤井さんが過労などでぶっ倒れるよりはましだったでしょう。
 いや、健康問題などではなかった、という見方もあります。小沢さんとの関係が悪化して、藤井さんが財務相の地位を投げ出したのだというのです。
 その場合でも、嫌気がさしてやる気をなくしていた人を続投させるよりはましでしょう。その後任が小沢さんとの関係の良い菅さんですから、なおさらです。

 予算決定のプロセスに問題があったのだという見方もあります。特に、ガソリンの暫定税率の問題をめぐる小沢さんとの確執です。
 藤井さんは、暫定税率の廃止を主張していました。これをひっくり返したのが小沢さんで、最終的に鳩山さんはこれに従いました。
 通常国会での審議では、当然、この点を追及しようとして、自民党などは手ぐすねを引いていたはずです。しかし、菅さんさんなら前言との矛盾に悩む必要はなく、自民党は肩すかしを食った格好になるでしょう。

 さらに、自由党時代の政治資金についての疑惑を指摘する意見もあります。これについて追及されるのを避けるための辞任だったというのです。
 これが本当だとすれば、藤井さんは先手を打ったことになります。自民党などは、この点でも攻め手を失ったわけです。
 民主党からすれば、これ以上、「政治とカネ」の問題を抱え込まずにすんだということになります。政権への打撃というよりも、それを避けるための方策だったということではないでしょうか。

 藤井さんの後任に、菅副総理が横滑りしたという点も重要でしょう。当初は、野田佳彦財務副大臣や仙谷由人行政刷新相の名前も挙がっていたようで、菅さんも何回か固辞されたそうですが、結局は引き受けました。
 ここでも考慮されたのは、小沢さんとの関係だったといいます。その結果、菅さんが起用されたため、かえって、鳩山・菅・小沢の「トロイカ体制」は磐石になったように見えます。
 これまで影が薄いとされてきた菅さんの出番も増え、指導力をふるえる体制ができたことになります。仙谷由人行政刷新相は国家戦略担当相を兼務することになり、負担は2倍になるかもしれませんが、行政刷新と国家戦略の作成という両機能は一体化することになります。

 菅さんにとって、この交代は青天の霹靂だったでしょう。と同時に、大きなチャンスでもあります。
 得意の弁舌によって通常国会を上手く乗り切ることができれば、「ポスト鳩山」の地位は確実となるにちがいありません。菅さんが、この試練をうまく乗り越えることができるかどうか、来るべき通常国会での予算審議に、もうひとつの注目点が付け加わったことになります。

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コメント 2

ヨタロー

>藤井財務相の辞任は鳩山政権への打撃となるか 


五十嵐先生もたまには学者ぶるんですねぇwwww

この設問は、設問自体が無内容だと思いますよ。
肝心なのは国民生活や民主主義的政治体制にとっての打撃の有無なんでしょうからねw
by ヨタロー (2010-01-08 19:42) 

派遣村所在不明者200人 「入所者のモラルも問題」と石原知事

 年末年始に住居がない失業者に宿泊場所や食事を提供する東京都の「公設派遣村」で、当初の利用者562人のうち、8日現在で200人以上が所在不明となっていることが都の調査で分かった。こうした実態を受けて東京都の石原慎太郎知事は同日の定例会見で、「入所者のモラルの問題がある。『ごねれば言うことを聞く』とうそぶく。大きな反省の対象だ」と語った。

 所在不明者は、都が就活費として現金2万円を支給した6日から続出。都は規則違反者は強制退所にし、18日で派遣村の閉所を決めた。

 長妻昭厚生労働相がこの件について「残念だ。そういうことが起こらない支援態勢が必要」と会見で語ったことに対しては、石原知事は改めて「政府は反省し、ゆがんだ形で終わらないように取り組むべきだ」と指摘した。

 都によると、7日現在の入所者名簿は557人。しかし、同日の夕食の配膳数は356人分で、外出したまま戻らない155人と、46人の行方不明者の計201人が施設にいないことを確認した。外出者の大半が所在不明となっている。

 派遣村に残る入所者の実数はピークだった4日(833人)の約4割に“過疎化”した。都によると、新たな就労先を見つけて退所した人は1割程度という。

 都には「派遣村」開設以降、都民から数十件の意見が寄せられたが、大半が「2万円の現金支給や派遣村そのものに否定的なものだった」(都幹部)。都は交通費などのため支給した就活費を酒やたばこの購入などに使用した人に対し、返金や生活保護費を差し引くなどして対処する。

by 派遣村所在不明者200人 「入所者のモラルも問題」と石原知事 (2010-01-08 23:11) 

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