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6月2日(水) 鳩山首相の辞任は当然だ [内閣]

 鳩山首相が辞意を表明しました。民主党の小沢幹事長も、辞めるようです。
 当然でしょう。これだけ真正面から、沖縄県民と国民の期待を裏切ったわけですから……。

 政策課題での鳩山内閣の弱点は、たとえば沖縄米軍普天間飛行場の移設問題に示されている。普天間飛行場の移設は、地元の理解を前提とする限り国内では不可能である。アメリカが最善だとする辺野古沖移設の現行案は、これまでも実行できなかった最悪の案であり、結局は現状を固定化することになる。世論がここまで沸騰している以上、国外撤去以外に解決策はなく、それを実行できなければ「撤去」されるのは鳩山首相の方になろう。

 これは、東京土建の機関誌『建設労働のひろば』No.74(2010年4月号)に掲載された私の論攷(http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2010-05-09)です。ここで書いたように、結局、鳩山首相の方が「撤去」されることになりました。
 前回のブログでも、「鳩山さんこそ、こうなったら『そっとお寝み』願うしかありません。国民の憤激が、これ以上高まる前に……」と書いた私です。こうなることは、十分に予想していました。
 「鳩山ではなく、“サギ山”ではないか」とか、「アメリカにしっぽを振る“忠犬ハト公”になってしまった」などと言われるようでは、首相の資格はありません。「見通しもなく、信念もなく、そして勇気もなく」「首相としての資質を持たない者は、さっさと辞めるべきです」という忠告に従ったことだけは、評価するにやぶさかではありませんが……。

 自民党の大島理森幹事長は「総理の辞職は国民の目をごまかすための交代だ。お色直しをして出直しますということは、国民の皆さんも見抜くのではないか」と指摘したそうですが、内心は困っているでしょう。参院選で、民主党が挽回する可能性が出てきましたから。
 昨年の7月には、同じように自民党内で麻生首相降ろしの動きがありました。結局、麻生さんは粘り腰を発揮して辞任せず、総選挙で大敗しました。
 鳩山さんが辞任しなければ、昨年の自民党と同じ経路をたどったに違いありません。でも、麻生さんと違って、鳩山さんはスッパリと辞任してしまいました。

 これは、「国民の目をごまかすための交代」というよりも、「国民との約束を実行できなかったための交代」だと言うべきでしょう。「責任を取って辞めろ」と言い、内閣不信任案や問責決議案を出そうとしていたのは、どの政党だったのでしょうか。
 「辞めろ、辞めろ」と言っておきながら、辞めたら辞めたで、「ごまかすための交代」だと言う。それなら、鳩山さんは辞めるべきだったのでしょうか、辞めるべきではなかったのでしょうか。
 昨年の夏、総選挙を前に「麻生降ろし」で大騒ぎしながら、結局、麻生さんの続投を許してしまった自民党です。鳩山さんが責任を取った民主党を批判することができるのでしょうか。

 後継の首相には、順当であれば、菅直人副総理が選出されるでしょう。幹事長には、誰がなるのでしょうか。
 いずれにしても、これで民主党は勢いを盛り返す可能性が出てきました。誰が後継者になるにせよ、普天間問題もゼロ・ベースで仕切り直しということにしてもらいたいものです。
 辺野古沖を埋め立てる現行案もくい打ち方式の修正案も、どちらもチャラにして、もう一度、真正面からアメリカとやり合う決意を示すべきです。そのための首相の交代ではありませんか。

 参院選対策のための首相交代であってはなりません。沖縄県民や国民との約束を履行するための交代なのだということを示すことができるかどうかが、これから問われることになるでしょう。
 
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コメント 7

西岡三郎

>いずれにしても、これで民主党は勢いを盛り返す可能性が出てきました。誰が後継者になるにせよ、普天間問題もゼロ・ベースで仕切り直しということにしてもらいたいものです。
 辺野古沖を埋め立てる現行案もくい打ち方式の修正案も、どちらもチャラにして、もう一度、真正面からアメリカとやり合う決意を示すべきです。そのための首相の交代ではありませんか。

今回の普天間問題での辺野古への「回帰」は、自治体や住民の反対などでどこにも受け入れ先がない中での「移設先」探しが破綻したものであり、代替地を見つけてからという「条件つきの移設」論では問題の解決ができないことを浮き彫りにしたものではないでしょうか。

ただ鳩山政権の功績はその「迷走」によって、沖縄や本土での基地反対の世論を掘り起こしたことにあり、「抑止力」論をはじめとした日米安保の問題を政治的な争点に押し上げたことにあると思います。
これも政権交代によって切り開かれた「前向きな流れ」であり、旧自公政権が継続していた場合には望みえないことであったでしょう。

ゆえに、きたるべき参議院選挙では旧自公政権につながるすべての政治勢力に再び審判を下すべきであり、その流れの中で普天間基地の「無条件撤去」を掲げる日本共産党が躍進することこそ、普天間問題の解決への真の展望を切り開くと思います。

だが、いつのまにか共産党はかっての自民も民主も同質・同類という「同じ穴のムジナ」論に回帰しており、自民・民主双方に審判をくだすべきと断じています。
こうして政権交代の意義を認識せずに自党の党勢拡大しか視野にないセクト主義的な選挙方針をまたもや掲げており、躍進を望みえない状況を自ら招いています。
過去の数回の国政選挙での失敗に学ばないこの共産党のセクト主義は政治革新を願う国民にとって大きな問題です。
共産党サポーターの私がこう感じています。
by 西岡三郎 (2010-06-02 17:28) 

bogus-simotukare

西岡さん
別に共産サポーターはあなただけじゃないですよ、西岡さん。私もその一人です。
沖縄問題や「政治と金」問題(鳩山/小沢疑惑)、後期高齢者医療制度廃止の先送り、各種法案での強行採決連発、高校無償化問題での朝鮮学校差別、アスベスト訴訟での控訴などなど、自民並み(いや自民以下のゴミか?)の体たらくを見せられてそれでも自民と変わらないと民主批判したらセクト主義ですか?。バカじゃないの?

なお、共産に問題がないとは言いませんが、世論調査に寄ればみんなの党に期待するような国民性ですからね。
国実の知的レベルの低さはスルーですか?
(しかもあなたは無条件撤去支持と言いますがマスコミの県外移設が不可能であるかのような報道のせいもあって、仕方ない、沖縄に我慢してもらおうぜ的声が国民において未だに強いこと(つまり無条件撤去を訴えても票にならない可能性が強い)をどう思いますか?)
by bogus-simotukare (2010-06-02 19:06) 

西岡三郎

simitukareさん、あなたも党指導部もマルクス主義の政治戦術の基本が力関係の計算だということがわからないようですな。
日本の政治戦線が中国の「三国志」のように民主と自民と共産の三大勢力で天下の覇権を争っているなら、自民もノーだが民主もダメと言う選挙戦術も妥当性を持つでしょう。

だが、残念ながら自民と民主の保守二大勢力と比較して国政では日本共産党は少数政党でしかなく、このポジションから民主党政権への審判をよびかけることは、旧自公勢力の浮上を助けることに客観的には帰結せざるをえないんですよ。(これは簡単で自明な力学的原則ではあるまいか。)

いま、共産党に求められることは「国民の生活が第一」の実現をそれを掲げている政府・民主党に強く迫ることであり、それとあわせて条件のあるところでは他党と共闘して自公勢力とそれにつながる勢力にとどめをさすことである。
もちろん日本共産党の躍進が第一に求められることは言うまでもない。
by 西岡三郎 (2010-06-03 12:14) 

わど

>「国民との約束を実行できなかったための交代」

この五十嵐さんのコメントは、十分な国民目線が思想的な背景になっています。そこが信頼をよせていい源です。今日までの歴史、と大風呂敷を広げるのは恥ずかしい言行ですが、ナチズム、いろんな共産主義、自由主義など、個別の「正義」思想が流布されてきました。しかし国民目線を忘れ、国民=奴隷、国民=低脳、などの背景をもった「正義」思想のなかに、いまも大きな影響力を残しているものは皆無です。これを簡単に、一般国民のほうがエライ、と表現するのも可能でしょうか。
さて、鳩山氏の退陣についてですが。
日本にたいするアメリカの支配力に、いまさらながら驚愕します。政治力による「カベ」からの跳躍には、不可能の三文字すら闇に浮かびます。
どういうわけか個人的に、バブル形成と崩壊のストーリーを少しずつ調べています。その背景には、日本の為政者や金融機関のバカさというより、国際的な資本の流動があったようで、やむなくドルの兌換停止、プラザ合意にまで手を伸ばして、狂い死の直前に至っているところ。
しかし調べるほど、自らの破綻を覚悟してまで、ドルと深くリンクした日本の経済が、アメリカ繁栄のために尽くそうとしてきたのではないか、との疑いがつのっていきます。
日米同盟、安保、米軍基地の問題は、ただ普通にいう政治の問題じゃなく、経済問題でもありそうなんです。こうした問題のすべてを多角的に理解した、豪腕な政治家と官僚たちの出現に期待せざるをえません。人任せになりました(笑)。
by わど (2010-06-03 16:24) 

邪論

第三極ですか。新自由クラブ、日本新党のときと同じですね。

まぁ、政権選択・政権交代のコピーも中味をああまり問わなかったから、そのツケが今噴出しているんだろうけれど、国民の期待を裏切ったツケも大きい!鳩山さんは、それなりに頑張ったのかもしれないけれど・・・。

でもこれはひょっとすると蛇の生殺し!?

鳩山さんと小沢さんは国民世論の批判を浴びたんだと思うけれど、安保の是非抜きの、大儲けしている財界に事業仕分けできない、させない政局報道にはうんざりします。

クリーンを呼びかけて退陣する鳩山さん、政党助成金や企業団体献金にノーを主張し、実行して、一番クリーンの政党であるはずの共産党が浮かび上がらない構造。

カネがない権化として憎しみの対象である公務員バッシングはやるけれど、不祥事だらけの米軍兵士とその米軍再編に3兆円も出してやることに怒らない国民と財源がないということで消費税増税に扇動するメディア。

普天間「移設」にあたって日本国民を恫喝し、植民地扱いの発言をする米国防総省高官に怒らない国民。そもそもアメリカがイギリスから独立する時の理由は増税であったはずだが、日本国民の税金を使うことには何らの正義も感じていないアメリカに卑屈になる政治家たち。
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010060200180

NPTでも普天間でも派遣・非正規・後期高齢者医療制度でも、スジをとおしている共産党が自民と第二自民的、野合政党である民主党を批判し、正面突破=第三極づくりにノーを突きつけ、存在感を打ち出していることに共感が広がない?

政治に嫌気がさして投票行動にすら立ちあがれない国民に対してどんな統一戦線を組むのか、共産党のセクト主義を問題にするか、では沖縄ではどんな選挙が行われようとしているか、などなど。

挙げればキリがない!正論は通りにくい日本になってしまったなぁ~!
by 邪論 (2010-06-03 19:09) 

bogus-simotukare

西岡さん
>いま、共産党に求められることは「国民の生活が第一」の実現をそれを掲げている政府・民主党に強く迫ることであり

迫れば民主は実行するんですか?
能天気というか何というか。それこそ「共産は少数野党」だから無視でしょう。沖縄県民を公然と裏切るような党ですから。今の民主党はそういう政党と私は理解しています。
そもそも私はあなたと違って今の民主が自公よりマシだとは少しも思ってませんし、民主批判の手控えなどすればおそらく支持者から裏切り者と共産は非難されかねないでしょう(私は党員ではない一シンパに過ぎないので念のため。党執行部が民主をどう思ってるかは知りません)。

>このポジションから民主党政権への審判をよびかけることは、旧自公勢力の浮上を助けることに客観的には帰結せざるをえないんですよ。

世論調査を信じる限り自公連立などないでしょう。
自公の支持率は浮上などしていませんので。むしろ怖いのはワタミのみん党の伸びです(なおそもそも共産が批判しなくても社民党やマスコミなど各方面が民主を批判していますのでねえ。共産が民主批判を手控えたところで、「民主→自公」と言う人は数の大小はともかく出るでしょう。と言うか、共産の影響力を過大評価しすぎ。)
ちなみに、今あり得る可能性は、(社民、国民新、共産などの結果にも寄りますが)「自・民大連立」か「民・みん連立」「民・公連立」でしょう。政権を維持するためなら民主はもはや「何でも有り」でしょう。いずれも私は望んでいませんが。(幸か不幸か参院選では民主が相対第一党になるのでしょうし、ならなくても安倍首相同様、過半数を超える衆院議席をフル活用して民主は下野などしないでしょう)
by bogus-simotukare (2010-06-03 19:52) 

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by モンクレール (2011-08-24 14:08) 

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