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7月8日(木) 『日本労働年鑑』第80集の刊行と記念イヴェントの企画 [大原]

 昨日、『日本労働年鑑』第80集の反省会議がありました。先月の末、『日本労働年鑑』第80集が刊行されたからです。
 現在、書店で販売されています。どなたでも入手可能ですので、手にとってご覧になっていただければ幸いです。

 『日本労働年鑑』は、今から90年前の1920年に発刊されました。第2次世界大戦前から、戦争を挟んでこれだけ長く刊行され続けている『労働年鑑』は、世界広しといえども、この『日本労働年鑑』くらいしかないと思います。
 しかし、この『日本労働年鑑』も、戦争の影響を免れませんでした。90年前に発刊されたのに第80集になっているのは、10年間のブランクがあるからです。
 準戦時体制の下、労働運動が困難になった時期に、この『日本労働年鑑』も刊行できなくなりました。しかし戦後、戦時特集の年鑑を2冊刊行し、復刊することによって戦前からの刊行を引き継ぎました。

 最近の『日本労働年鑑』では、特集を2本組んでいます。第80集では、「ユニオン運動の形成と現状」「構造改革と社会保障改革」です。
 前者は、個人加盟ユニオンの運動について、その歴史を振り返りながら現状を俯瞰したものです。後者は、小泉構造改革の下で破壊された社会保障政策について、その経過と現状をまとめたものです。
 大変、タイムリーなものになっていると思います。これらのテーマについて多くの情報が得られますので、沢山の方に読んでいただきたいものです。

 なお、『日本労働年鑑』が第80集を数えたということで、これを記念するイヴェントを企画しております。その一つは、ウェブ・サイトでの『日本労働年鑑』の公開で、1920年に刊行された第1集から1980年代頃までの『日本労働年鑑』を、大原社会問題研究所のウェブ上で読めるようにする準備をしています。
 もう一つは、三井三池争議から半世紀ということや、この争議で大きな役割を演じた向坂逸郎氏の蔵書や資料を大原社会問題研究所が寄贈を受けて所蔵しているという関係もあり、「三池争議と向坂逸郎」というイヴェントを企画しました。これは、秋に展示会、映像展示、シンポジウムなどを行う予定です。
 10月13日(水)から、法政大学市ヶ谷キャンパスで、これら各種の催しを行います。詳細は、いずれこのブログでも紹介したいと思いますが、楽しみにしていて下さい。

 ということで、今年もまた、無事、『日本労働年鑑』を刊行できて、ホッとしております。このような継続的事業は、中断するのは簡単ですが、引き継いでいくのは大変です。
 とりわけ、このような『年鑑』は、執筆者を始め、沢山の方の協力なしには刊行できません。旬報社を始め、ご協力いただいた方々、お世話になった方々に、この場を借りて厚くお礼申し上げます。

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