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7月31日(土) 定数削減をエサに部分連合を実現しようというのは邪道だ [菅新政権]

 菅首相が、またバカなことを言い出しました。国会議員の定数削減について、今年中に成案が得られるよう努力して欲しいと指示を出したそうです。

 民主党は衆院定数の80議席削減、参院定数の40議席程度の削減を打ち出しています。ですから、これは菅さんの独走というわけではありません。
 しかし、何故、今なのか、今年中にということで急ぐのは何故なのか、という問題があります。政策については優先順位が大切であり、今回、この問題を持ち出したのは優先順位を高めたことを意味するからです。
 その狙いは、二つあるようにみえます。一つは、増税するために、まず、「身を切る姿勢」を示すことであり、もう一つは、同じような定数削減を打ち出している自民党やみんなの党との部分連合の手がかりとすることです。

 でも、これは上手くいかないと思います。問題は国会議員の身分に関わることですから、多数での強行は許されないからです。
 しかも、削減されるのは比例定数となる可能性大ですし、今年中になどと、時期まで明示してしまいました。また、菅さんの悪い癖が出てしまったようです。
 これで、自民党やみんなの党がなびいてくるとは思えません。それどころか、定数削減に反対している公明党、共産党、社民党の反発は強まるでしょうし、死活問題となる他の少数政党も抵抗するでしょう。

 菅首相の消費税10%発言を聞いたとき、「なんてカンの悪いやつなんだ」と思いましたが、今回の定数削減発言についても、同じような感想を持ちました。何にも分かっていないんですね、この人は。
 菅さんはイギリスの議会政治をお手本としているそうですが、そのイギリスは時代に合わなくなった「2大政党制」に苦しんでいます。ようやく自由民主党という第3党が登場して保守党との連立政権になりました。
 イギリスが抜け出そうとしている「2大政党制」という袋小路に、わざわざ選挙制度を変えて入り込もうとしているのが菅さんです。いや、すでに日本の政治も「2大政党制」という袋小路への道を進んできました。そして、閉塞状況に陥ってしまったのです。

 民主党も自民党も、ともに勝つことができなかった参院選の結果は、現在の日本においても「2大政党制」は時代遅れになっていることを示しています。「2大政党」は、どちらも国民が望む選択肢を提起できず、国民の期待を集めることができなかったからです。
 比例代表の定数削減は、このような状況に対応できないどころか、逆行することは明らかでしょう。国民に支持されていない「2大政党」の比重を高め、政治の閉塞状況を一段と強めるにちがいありません。
 政局や政争の具として選挙制度や議員定数の問題を持ち出すのは邪道です。「身を切る」ポーズを示すことで消費税導入への地ならしを行おうというのも間違っています。

 菅さん、バカなことはやめなさい。こんなことをすれば、新たな対立のタネをまき、ただでさえ揺らぎ続けている政権基盤がなお一層ぐらつくことは明らかなのですから……。
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