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7月12日(火) 岸本組への受注は17億円ではなく78億円弱だった [原発]

 驚きましたね。岸本組への受注は17億円ではなく78億円弱だったとは。
 昨日のブログで、私は次のように書きました。

 「岸本組」は九州電力玄海原発がある佐賀県玄海町の岸本英雄町長の実弟が経営している建設会社です。岸本さんが町長に就任した2006年8月以降の4年8カ月間で、電源立地地域対策交付金などの“原発マネー”を財源に使った町発注工事と九電発注の玄海原発関連工事を少なくとも約17億円分も受注したとされています。

 しかし、岸本組が得ていた受注額は、この程度のものではなかったようです。今日の『朝日新聞』には、「玄海町長の弟の建設会社、九電から54億円受注」という見出しで、次のように書かれていました。

 九州電力玄海原子力発電所がある佐賀県玄海町の岸本英雄町長の実弟が社長を務める建設会社「岸本組」(本社・同県唐津市)が、1994~2009年度(決算期は5月~翌年4月)の16年間に九電から少なくとも約54億円分の工事を受注していたことが分かった。
 ……
 佐賀県に提出された岸本組の工事経歴書によると、16年間に玄海原発内の建設や修繕で約54億円分の工事を九電から受注。同じ期間に、電源立地地域対策交付金や県核燃料サイクル補助金など電源三法交付金を利用した町発注工事も約23億7千万円分受注している。
 09年度の岸本組の売り上げは約41億5千万円。うち約1億6230万円(3.9%)が九電発注、約4億4990万円(10.8%)が同交付金を使った町発注の工事だった。

 昨日のブログで紹介した数字は「2006年8月以降の4年8カ月間」のもので、『朝日新聞』が報じたのは「1994~2009年度」の「16年間」に及んでいます。対象の期間が長くなれば、受注額が多くなるのは当然でしょう。
 それにしても、すさまじい額です。岸本組が九電と玄海町から受注していた額は、合計して78億円近くにもなるのですから……。
 『朝日新聞』の記事の見出しにある54億円というのは「九電から受注」したものだけです。岸本組は、それに加えて「電源三法交付金を利用した町発注工事も約23億7千万円分受注」していました。

 「09年度の岸本組の売り上げ」でみれば約6億円、全体の14%ほどが九電関連になります。岸本町長が九電の意に沿う形での決定を行おうとしたのも、十分に理解できるような数字です。
 しかし、それは住民の命と生活を守るべき町長としての立場を充分にわきまえたものであったのかといえば、大いに疑問です。ストレステストなどによって玄海原発の安全性についての確証が示される以前に、再稼働を承認しようとしたのですから……。
 岸本町長の対応に、公的な責任よりも私的な利害を優先するという問題は無かったのでしょうか。玄海原発の再稼働への合意を表明した後にストレステストの実施方針を示された岸本町長は「2階に登ってハシゴを外された」と憤っていましたが、九電の意を忖度するあまり、急いでハシゴを登ってしまった岸本町長自身の対応にこそ問題があったのではないでしょうか。

 岸本町長はあんなに急いで再稼働に「イエス」と言おうとしなければ良かったんです。そうすれば、「ハシゴを外された」などと言って赤っ恥をかくこともなったでしょうに……。

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