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12月2日(金) 一川防衛相問責決議案の提出は野田内閣の弔鐘となるのか [内閣]

 本当に「素人」だったんですね。95年の沖縄での少女暴行事件について良く知らなかった一川保夫防衛相のことです。
 今夜、一川防衛相は沖縄を訪問して仲井真弘多知事に会って謝罪しました。テレビに映った県庁前の映像では、抗議のシュプレヒコールが響いています。

 一川防衛相は1日の参院東日本大震災復興特別委員会で、1995年の米海兵隊員らによる少女暴行事件について問われ、「正確な中身を詳細には知ってはいない」と答弁しました。この事件がきっかけとなって沖縄県民の怒りが爆発し、それが米軍普天間飛行場返還運動の端緒となったという経過をご存じなかったようです。
 しかも、沖縄防衛局の田中聡前防衛局長が「(女性を)犯す前にこれから犯しますよと言うか」と発言して更迭されたばかりの時です。少女暴行事件があったがために、この発言に対する沖縄の人々の怒りには大きなものがありました。
 一川さんは、少女暴行事件の内容も、その意味も、その後の経過も、今回の発言に対する怒りの背景も、「詳細には知ってはいな」かったというわけです。ということは、こうしたことを何も知らずに田中さんを更迭したことになります。

 一川さんが防衛大臣になってから、すでに3ヵ月が経過しています。この間、一体、何をしていたのでしょうか。
 沖縄普天間基地の移設問題について、少しは勉強したのでしょうか。沖縄の人々の怒りや嘆きの背景を、本気で理解しようとしていたのでしょうか。
 沖縄の人々の気持ちに真剣に寄り添おうと思っていたなら、少女暴行事件について「正確な中身を詳細には知ってはいない」などと言うはずがありません。これでは、いくら謝罪しても、口先だけではないのかと思われても仕方ないでしょう。

 自民党と公明党は、これを含めた一連の言動の責任を問う形で、一川防衛相への問責決議案を提出するようです。共産党や社民党などは、賛成する方向だといいます。
 もし、提出されれば、可決されるでしょう。その前に、一川さんは辞任するべきです。
 もし、成立すれば、最終盤を迎えた国会審議はストップします。そうなれば、結局、辞任せざるを得なくなるでしょうから……。

 野田内閣が発足したとき、私は9月3日のブログ「党内融和・対野党協調最優先の『政局内閣』」で「行政手腕が未知数な不慣れな閣僚が多いという問題があり」「新閣僚の顔ぶれは、とても適材適所というわけにはいきません」と書きました。その弱点が表面化したようです。
 TPP参加と消費税の増税をめぐって民主党内の不協和音や野党との対立は高まっており、発足からまだ3ヵ月しか経っていないのに、もう末期症状を呈しつつあるように見えます。そのような中での一川防衛相問責決議案の提出は、野田内閣の弔鐘となるのでしょうか。

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