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12月6日(火) 「進むも地獄、退くも地獄」の窮地に追い込まれた野田首相 [首相]

 野田首相は「ハシズム」の威力に幻惑されてしまったのかもしれません。大阪ダブル選挙で大勝した維新の会の橋下さんばりの「独裁」的強行路線を選択し始めたからです。

 野田佳彦首相は5日午前の衆院予算委員会で、一川保夫防衛相について「これまで以上に襟を正して職責を果たしてほしい」と述べ、更迭しない考えを改めて示しました。これに対して、国民新党の下地幹郎幹事長は、自民・公明両党が防衛相に対する問責決議参院に提出する前の自発的辞任を求めています。
 また、一川保夫防衛相は今日午前の記者会見で、自らの進退について「与えられた職責をしっかりと務めていきたいとの思いでいっぱいだ」と述べて、辞任する考えのないことを強調しました。問責決議案を提出する方針にも「防衛相としての本来の責任を問われるような致命的なものはないと思っている」と反論しています。
 野田さんも、一川さんも、当面は居直ることに覚悟を決めたようです。野田さんは、さし当たり、野党や党内からの批判に妥協しないと決めたのでしょうか。

 また、社会保障と消費税の一体改革について、政府・与党は昨日、消費税増税を柱とした社会保障と税の一体改革を協議する「社会保障改革本部」の初会合を官邸で開きました。野田佳彦首相は消費税率10%への段階的な引き上げ時期や幅を明記した一体改革大綱素案を年内に取りまとめるよう正式に指示を出しています。
 与党内には小沢一郎元代表やそのグループの議員など増税に慎重・反対の議員も多く、議論の難航は必至だと見られています。ここでも、野田首相は正面突破の強行路線に打って出ようということのようです。
 TPP問題での反省があるのかもしれません。参加表明を一日遅らし、結局、「参加」ではなく「協議に加わる」とトーンダウンさせたため、一部では「弱腰」との批判を招いたからです。

 しかし、このような突っ張りで、事態が打開できるのでしょうか。一川防衛相の問責決議案が上程されれば、会期末の9日に可決されることは明らかです。
 そうなれば、野田首相が目論んでいる消費増税に向けての自公両党との協議などは吹っ飛んでしまうでしょう。すでに、臨時国会の延長は断念されつつあります。
 その後の与野党協議を念頭に置けば、いずれかの時点で一川さんを更迭せざるを得ず、そうなればなったで野田首相自身の任命責任が追及され、一川さんの背後にいる小沢グループや輿石幹事長との関係が悪化し、政権基盤は弱体化していきます。野田首相は「進むも地獄、退くも地獄」の窮地に追い込まれました。

 いかに野田さんが「ハシズム」ばりの「独裁」を行使しようとしても、その「破壊力」は難局に対する突破力を生み出すようには見えません。逆にそれは、野田内閣自体の「破壊」をもたらす可能性の方が大きいのではないでしょうか。

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