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12月18日(日) どうして、野田内閣には人気がないのか [内閣]

 「どうして、野田内閣は人気がないのでしょう? マスコミが悪口ばかり書くからじゃないんですか」
 「まさに仰る通り。野田さんには内閣支持率などは気にしなさんなと言っているんです」
 あるテレビ番組を見ていたら、このような会話がありました。問いかけたのは元日経新聞記者の田勢康弘さんで、答えたのは民主党の藤井裕久税制調査会長です。

 新聞記者出身の田勢さんも、テレビでのインタビュアーとなると相手におもねるような聴き方をするものです。新聞などマスコミがデタラメを書いているとでも言いたいのでしょうか。
 藤井さんも、マスコミが書く「悪口」には根拠がないと考えているのでしょうか。「気にするな」というのは、国民の評価や世論などはどうでも良いと言っていることになります。
 一方には、このようなことを平気で言って有力政治家のご機嫌を取るマスコミ人がおり、他方には、それをたしなめるどころか、世論を無視せよとの進言をしたことを得意げに話す与党幹部がいる。これもまた、日本政治劣化の一つの表れだと言えるでしょう。

 野田内閣の支持率はほぼ一直線に下がり続け、とうとう不支持率と逆転してしまいました。「不人気」であることは、田勢さんが問いかけたとおりです。
 このままなら、「歌手1年、総理2年の使い捨て」(竹下元首相)どころか、「歌手1年、総理も1年の使い捨て」という状況がまたも再現されそうです。「どうして、野田内閣は人気がないのでしょう?」と聴きたくなるのは、田勢さんだけではないでしょう。
 しかし、その原因は「マスコミが悪口ばかり書くから」ではありません。野田さんが、消費税率引き上げの国際公約、TPP参加に向けての「協議に加わる」という表明、冷温停止状態などとごまかしながらの福島第1原発の「ステップ2の完了」宣言など、「悪口」を書かれるようなことばかりやっているからです。

 マスコミはただ、それを報じているだけでしょう。しかも、消費税やTPP問題では、「悪口」どころか大変好意的に……。
 それなのに人気がなく内閣支持率が下がり続けているのは、これらの施策が国民の願いに反しているからです。信頼を損ない、失望するようなことをやったり言ったりしているから、人気がなくなるのではありませんか。
 内閣支持率を回復させ、短命政権への道を回避するのは簡単です。国民の願いを実現し、信頼を回復させるような施策を実行すればいいんです。

 内閣支持率の動向は、直近の民意をそれなりに示すものではありませんか。それを「気にしなさんな」と進言するところに、民意からかけ離れた政治へと転落し「人気」がなくなっていく要因の一つがあるということに、藤井さんは全く気がついていないようです。

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