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2月16日(木) 橋下徹大阪市長による「思想調査」は即刻中止するべきだ [社会]

 とうとう、こんな時代になってしまったのかと、情けない気持ちでいっぱいです。大阪の橋下徹市長による「思想調査」問題です。

 弁護士出身でありながら、このような思想調査を行おうと考えたこと自体、誠に情けない。そのようなことをしなければ、市役所の職員を管理・監督し、市政を正常化できないとでも思ったのでしょうか。
 その調査項目の一つ一つがどのような問題を持っているのか、憲法で保障された思想・信条の自由や公務員の政治活動の権利、労働組合活動の権利などを侵害するものだということに気がつかなかったのでしょうか。
 かつて、テレビ番組「行列のできる法律相談所」に出ていた頃、このような調査が人権侵害と不当労働行為に当たるのではないかと質問されたら、橋下さんはどう答えたでしょうか。おそらく、「その通りです」と回答したでしょう(と、思いたい)。

 その橋下さんが、憲法の何たるかも知らないかのような暴挙に出たわけです。職員を萎縮させ、憲法で保障された政治活動や労働組合活動を妨害し、反対したり批判したりする職員をあぶり出して排除するための計算尽くの暴挙です。
 「この人ならやりかねない」と、かねて「ハシズム」と呼ばれてきた通りの強権的で威圧的な愚行だと言うべきでしょう。大阪府知事時代に思い通りにやってきたために、権力の魔力に魅せられ、取り込まれてしまい、法曹としての良心を投げ捨ててしまったように見えます。
 このような力を振りかざしての威圧的な権利侵害は、民主社会においてとうてい許されるものではありません。直ちに中止するべきでしょう。

 情けないのは、これをファッショ的な暴挙であると、テレビや新聞などのマスコミがきちんと批判していないことです。例外は、『東京新聞』くらいです。
 もっと情けないのは、このような橋本市長の「破壊力」に期待を寄せる国民が多くいることです。まさに、大衆の期待と喚声を背に登場し、権力を簒奪してワイマール共和国を破壊してしまったヒトラーを彷彿とさせるような状況です。
 大阪維新の会が発表した「維新八策」も、首相公選制や参議院の廃止などのような実現可能性のない荒唐無稽な政策と、道州制やTPPへの参加、消費増税など財界の要求や野田政権の悪政を後追いするような政策のごちゃ混ぜにすぎません。これが21世紀における日本の将来ビジョンなのでしょうか。

 私は、以前、『労働情報』に書いた論攷に「面白うて、やがて悲しき大阪ダブル選挙」http://igajin.blog.so-net.ne.jp/archive/20111226という表題をつけました。この「面白うて、やがて悲しき」が、大阪だけではなく、日本全体の行く末についても当てはまりそうな状況になってきたのは誠に残念です。
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