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3月17日(土) なぜ、誰も吉本隆明の責任を追及しないのか [社会]

 吉本隆明が死んだそうです。最大級の評価と追悼の言葉が、テレビや新聞で報じられています。

 昨日の朝7時のNHKニュースのトップが、吉本の訃報でした。夕刊各紙も、多くの紙面を割いて業績を紹介したり、その死を惜しむ言葉を掲載しています。
 「戦後思想の巨人」とか、「戦後の思想界を代表する評論家・詩人」だなどという賛辞が溢れていました。あの石原慎太郎知事までが、「権威に反抗するオピニオンリーダー。1つの世代の象徴的な存在だった。残念です」と悼んだというのですから、呆れてしまいます。
 慎太郎に評価されるようになったらお終いです。吉本もその程度の「思想家」だったということでしょうか。

しかし、忘れてならないのは、吉本の思想と言説が全共闘運動や新左翼の学生達に多くの影響を与えたということです。既成の左翼運動を徹底批判し「新左翼」の教祖的存在となったこと、全共闘世代の若者の熱狂的支持を受けたことは、当時、若者であった私も良く知っています。
 そして、その言葉に影響され、これらの誤った運動へと足を踏み入れて暴力をふるったり、暴力によって負傷したり、命を失ったり、人生を狂わされた学生や青年達が多くいたことも。そのような学生の一人によって、私は旗竿で右目を突かれ、失明させられました。
 その思想的淵源の一つが吉本隆明であったかもしれません。内ゲバにまで至り、惨憺たる結末を迎えた全共闘運動や新左翼運動に対して、「教祖」として思想的な影響を与えた吉本隆明には大きな責任があります。

 それなのに、なぜ、誰も吉本隆明の責任を追及しないのでしょうか。人々の行動を左右し、生き方にまで深く影響を与えた思想の「結果責任」を、どうして誰も吉本隆明に問わないのでしょうか。

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