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8月3日(金) 共産・社民・みんな3党の内閣不信任案提出合意で新たな展開を示し始めた「政界三国志」 [政局]

 民主・自民・小沢グループによる「政界三国志」は、新たな展開を示し始めたようです。小沢グループに「援軍」が駆けつけ、民主・自民を牽制し始めたからです。

 昨日、共産・社民・みんなの3野党が、参院で消費増税法案を採択する前に、野田内閣不信任案を提出することで一致しました。小沢グループの新党「国民の生活が第一」も共同提出に応ずる方向だそうです。
 今日、自民・公明両党を除く野党の党首会談を開き、提出時期などを調整するといいます。消費増税法案を葬り去る一筋の「光明」が見えてきたということでしょうか。
 これに対して、自民党は昨日の幹部会で、民主党が来週中の消費増税関連法案の採決に応じなければ、参院に首相の問責決議案を提出することで一致しました。一方で内閣不信任案、他方で問責決議案提出の動きが始まったというわけで、民主党にとっては、前門の虎、後門の狼ということになるでしょう。

 このような動きは、以前から予想されていました。しかし、いくつかの点で、注目すべき変化があります。
 その一つは、内閣不信任案の提出が消費増税関連法案の採決後ではなく、その前に行われようとしていることです。もう一つは、その動きが、小沢グループによってではなく、共産・社民・みんなという別の野党から始まったことです。
 いずれも、内閣不信任案の成立と消費増税関連法案の成立阻止にとって、プラスになる変化だと言えるでしょう。不信任案が通れば消費増税は吹っ飛びますし、小沢グループが突出しなければ全野党の協調を得やすくなると思われるからです。

 問題は、自民・公明の連合軍と民主党内での別働隊の動きです。自民党は問責決議案を提出すると言っていますが、これは採決先延ばしを図る民主党に対する脅しであり、本気で提出するかどうかは分かりません。
 問責決議案を提出すれば可決は確実ですが、野田政権を追い込む点での効力は不明です。内閣不信任案は確実に野田政権を追い込めますが、可決できるかどうかは不明です。
 それに、自公両党は消費増税関連法案の成立を望んでいる点で、他の野党とは異なっています。果たして同調するかどうか、民主党との対決にどこまで踏み込むかどうか、不確定要素が大きいと言うべきでしょう。

 とはいえ、他の野党が結束して内閣不信任案を提出した場合、自公両党は反対に回れるでしょうか。もし、不信任案に反対すれば野田内閣を信任したことになります。
 解散・総選挙を求めることはできなくなり、野田首相の延命に手を貸すだけになってしまいます。こんなことをしたら、9月の自民党総裁選挙での再選などは望むべくもなく、谷垣総裁にとっては自滅路線を意味することになるでしょう。
 民主党内には、反野田首相の別働隊である小沢グループの残党と鳩山グループが存在しています。これらの人々が不信任案に賛成する動きを示せば、ますます自公両党は反対しにくくなるでしょう。

 昨年、菅内閣に不信任案が提出されたとき、民主党内からも造反の動きが表面化し、可決の可能性が高まりました。その動きを止めたのは、代議士会直前の菅・鳩山会談であり、そこでの退陣条件を明らかにした鳩山さんの演説でした。
 今回は、このような動きは考えられません。鳩山さんは、野田さんを追い込む方向で動く可能性が高いでしょう。
 もし、小沢グループの残党や鳩山グループのうち15人が賛成すれば、内閣不信任案は成立します。その可能性は大いにあります。

 自民党は8月8日までに、消費増税関連法案を採決することを求めています。民主党内には「10日には採決を受け入れざるを得ない」という見方も出ているそうです。
 NHKをはじめマスコミが「オリンピック狂想曲」を奏でている間に、政局は大きく動こうとしています。今週から来週にかけて、「政界三国志」は一つの山場を迎えるにちがいありません。

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