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9月20日(木) この間のブログへのいくつかのご意見に対する回答 [国際]

 この間、いくつかのメールをいただきました。貴重なご意見には感謝いたしますが、中には事実に基づかない誤解も散見されます。
 メールには返信させていただいたものもありますが、同じような誤解やご意見もあると思います。以下、代表的なものについて、私の見解を説明させていただきます。

 第1に、私のブログについて、法政大学や大原社会問題研究所の責任を問うご意見がありました。「研究所所長としてあまりの発言の不正確さ」への批判も書かれていました。
 しかし、私のブログは個人としてのもので、法政大学や大原社会問題研究所とは無関係です。私の勤務先がたまたま法政大学大原社会問題研究所であるというにすぎません。
 しかも、私はこの3月に所長を退任しております。現在は、「所長」ではなく「所員」ですから、「研究所長として」発言することは不可能です。
 もちろん、法政大学に責任を問うてみても、大学は困るだけでしょう。もともと無関係なのですから……。

 第2に、「尖閣に対し、購入資金として14億集まったことをいかに考えておられるのか」という質問がありました。質問の趣旨が今ひとつ不明ですが、14億円も集まったことには私も感心しています。
 しかし、都が購入したのではなく、尖閣諸島を購入したのは日本政府です。結果的に、この購入資金は宙に浮いてしまいました。
 石原都知事は、プールして基金にすると言っていますが、本来であれば、この資金は返却されるべきものではないでしょうか。購入資金に充てられなかったのですから……。

 第3に、私に対して「偏向思想」であるという批判もありましたし、「私からすれば一方的に日本が譲歩するべきとしか言われていないようなきがする」と書いた方もおられます。しかし、どの点が「偏向」しているのか、どの点が「一方的譲歩」の主張に当たるのか、文章を引用しての具体的な指摘はありません。
 昨日のブログにも書いたように、私は尖閣諸島の領有権は日本にあり、中国の言い分は不当で、暴動や襲撃などは許されないと考えています。このような見解のどこが「偏向思想」なのでしょうか。
 また、9月17日のブログも、中国の反日デモやその主張に反論しつつ、「愛国無罪」という考え方を批判し、中国側に自制を求め、暴力行為などの「過剰な対応」を諫めたものであって、この問題で日本が一方的に譲歩すべきであるなどとは書かれていません。どこにそのようなことが書かれているのか、該当する箇所を具体的に示していただきたいものです。

 第4に、「日中友好などは、夢物語であって永久に無いと認識するべきである」というご意見もありました。しかし、隣同士の国が「永久に」対立し合うなどということは、両国にとって不幸ではないでしょうか。
 私の故郷・新潟の上杉謙信と隣国の武田信玄は戦国時代に5回にわたって闘いましたが、今はそのようなことは考えられません。2度の大戦の舞台となった欧州でも、対立は基本的に解消しています。
 未来を悲観するべきではなく、いかに困難であっても友好の可能性を追求するべきだというのが私の立場です。したがって、「こうした問題を貴方ならどう解決されるかお教えいただきたい」との質問に対する私の回答は、昨日のブログにも書いたとおり、「冷静な対応と交渉でしか尖閣諸島をめぐる問題は打開できない」というものです。

 反日デモによる暴力的行為は決して許されず「愛国」的ではないということ、対立と紛争をエスカレートさせることは、日本だけでなく中国にとってもプラスにはならないということを、中国の人々には十分理解してもらいたいものです。昨日は反日デモも下火になり、尖閣諸島周辺に船団が姿を現すことはありませんでした。
 このまま、対立がエスカレートすることなく、落ち着いていけば良いのですが……。

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