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11月23日(金) 総選挙と都知事選をめぐる注目すべき動きの数々 [選挙]

 総選挙と都知事選挙の公示を前に、注目すべき動きが相次いでいます。それだけ政治が流動化し、新たな局面が生じてきているということになるでしょう。

 まず、自民党による政権公約の発表です。こんな無責任な公約を掲げるなんて、自民党も「野党」が身に付いてきたということなのでしょうか。安倍晋三総裁は「できることしか書いていない」と胸を張っていますが、国民の方からすれば「やって欲しくないことしか書いていない」と言いたくなるような代物です。
 特に、「安倍カラー」ということで打ち出されている改憲と自衛隊の国防軍化、「国家安全保障会議」(日本版NSC)の設置、集団的自衛権の行使容認を掲げた「国家安全保障基本法」の制定、尖閣諸島への公務員常駐や周辺漁業環境整備の検討、従軍慰安婦問題の反証、教育基本法に沿った教科書検定や教育委員会制度の見直しなどの政策の数々は時代錯誤で、首相を辞めてからも全く変わっていなかった、つまり成長していなかったということを明示しています。
 首相時代、安倍さんは左からよりも右からの批判の方がこたえたそうですが、このような政策を掲げて政権に加わることになれば、ジレンマに陥って行き詰まることは目に見えています。政策を実行しようとすれば提携をめざす民主党や公明党の反発、中国・韓国などの麒麟諸国との対立の激化は避けられず、実行しなければ公約の不履行や腰砕けということで、保守志向の強い右からの批判を受けることになるでしょうから……。

 次に、民主党の鳩山元代表の突然の立候補断念・政界引退表明です。もともと鳩山さんは首相を辞めたら政治家を引退すると言っていましたから、この表明は当初の言を守っただけで驚くには当たりません。
 とはいえ、消費増税やTPP参加問題などで鳩山さんを追いつめた野田首相は、政権交代の資産を食いつぶして創業者を追い出す形になりました。鳩山さんでさえいたたまれなくなるほどに、野田代表の下で民主党は大きく変わってしまったということになります。
 民主党の政治家の中では、鳩山さんはまだましな方だったのではないでしょうか。政権交代直後、「政治には弱い立場の人々、少数の人々の視点が尊重されなければならない」と表明した就任後初の所信表明演説に感動したのは私だけではなかったでしょう。米軍普天間飛行場の返還・移設問題でも、「国外」に、「最低でも県外」と言ったのは、沖縄県民の願いに添うものでした。問題は、そう言ったことではなく、言ったとおりにやらなかったところにあります。

 第三に、石原慎太郎日本維新の会代表の核武装発言です。東京都内の日本外国特派員協会での講演で、「日本は核兵器に関するシミュレーションぐらいやったらいい」と発言して物議を醸しています。
 しかし、日本の核武装は石原さんの持論で、最低でもそのためのシュミレーションをやるべきだということは、都による尖閣諸島の購入を表明した4月のヘリテージ財団での講演でも発言していますから、これも驚くようなことではありません。それに、橋下さんも、広島市内で記者団に「理想としては廃絶。でも、それは全部が核を持たないことができて初めて成り立つ。現実的には無理」と述べた核廃絶などは不可能だと明言しています。「類は友を呼ぶ」ということでしょうか。
 それにしても、よくこんな人を代表にしたものです。この石原さんに引っぱられ、日本維新の会の脱原発政策は曖昧になり、企業・団体献金も受け取るように変わるなど、どんどん後退を続けて自民党寄りになってきています。総選挙後における自民党との連立の準備を、もう始めているのかもしれません。

 最後に、都知事選での対決構図の明確化です。脱原発政策のための統一戦線的な支持構造ができあがりつつあるのは、大変、喜ばしいことです。
 猪瀬直樹副知事の立候補表明によって、都知事選挙の構図がほぼ固まってきました。宇都宮健児前日本弁護士連合会長、松沢成文前神奈川県知事の有力3候補の争いということでしょうか。
 そのようななかで、脱原発政策を中心に、宇都宮さんへの支持と支援の輪が広がってきています。先日のブログで紹介したネット情報は「ガセネタ」ではなかったようで、社民党、共産党、 緑の党、新社会党に加えて、国民の生活が第一(生活)と生活者ネットが宇都宮さんに対する支持を表明しました。民主党の菅直人前首相も脱原発基本法制定を目指す集会で「個人的にはしっかりと宇都宮さんを応援したい」と支援を明言しています。
 他方で、減税日本と「反TPP・脱原発・消費増税凍結を実現する党(反TPP)」が合流して新党「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党(脱原発)」を結成するという動きもありました。今後、「生活」との合流や「みどりの風」との連携・合流の可能性もあり、これらの政党も宇都宮さんへの支持を表明してもらいたいものです。

 さらに、これからも新たな展開があることでしょう。それが総選挙と都知事選挙での国民の選択を助け、少しでも前進的な動きに繋がるものであって欲しいと願っています。

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