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12月17日(月) 自民圧勝・民主壊滅に終わった総選挙 [選挙]

 総選挙の結果が出ました。ひと言で言えば、自民党の圧勝、民主党の壊滅です。

 各党の議席は次のようになっています。
 自民294 民主57 維新54 公明31 みんな18 未来9 共産8 社民2 大地1 国民新1 無所属5
 選挙に候補者を立てた12政党のうち、当選者を出したのは10政党です。新党日本と新党改革は、事前の予想通り、議席を獲得することができませんでした。

 今回の選挙に、「風」は吹いていたのでしょうか。やはり、「風」は吹いていたと思います。
 『朝日新聞』12月14日付は選挙戦中盤の情勢調査を報じていますが、それと比較すると良く分かります。この予測通りになったのは、みんな、共産、社民、大地、国民新の各党で、中盤の情勢と結果とは一致しています。
 これに対して、自民、公明、維新の3党は予測を上回り、民主と未来の2党は下回っています。自民、公明、維新には選挙戦終盤に「追い風」が吹き、逆に、民主と未来には逆風が吹いたと見ることができます。

 とりわけ、自民党の圧勝はすさまじいものでした。朝日新聞の予測では297が「上限」とされていましたが、それに近い294議席を獲得しています。
 自民党だけで絶対安定過半数とされる269を突破しました。また、自民党の294議席に公明党が獲得した31議席が加われば325議席となります。
 自公が連立すれば、2党だけで衆院の三分の二である320議席を越えます。たとえ、法案が参院で否決されても衆院で再議決して可決することができますから、衆参の「ねじれ」状態は実質的に解消されたことになるでしょう。

 他方で、民主党はほとんど壊滅状態になってしまいました。朝日新聞の予測で示された「下限」の63をさらに下回って57と、現有議席の4分の1以下になっています。
 朝日新聞が予測した以上の大敗を喫したというわけです。閣僚も相次いで落選し、野田首相は民主党代表の辞任を表明しました。
 民主党は、自らの嘘と裏切りに対する国民の怒りがいかにすさまじいものであったかを思い知らされたことでしょう。今回の総選挙の結果は自民党の勝利と言うより民主党の敗北であり、自民圧勝は野田首相によってプレゼントされたようなものです。

 「第3極」と言われた新党の中では、維新と未来とで大きく明暗が分かれました。朝日新聞の予測で維新は「上限」とされた55より1議席少ない54議席を獲得しましたが、未来は「中心」の10に1議席足りません。
 この違いが生じたのは、未来の結党が選挙直前で政策が浸透するまでの時間が足りなかったこと、尖閣諸島の問題や北朝鮮のロケット発射などもあって時代の空気がきな臭くなっていることなどによると思われます。リーダーの個性やアピールという点で維新の方が勝っており、嘉田さんが小沢さんの「傀儡」と見られたこともマイナスになったかもしれません。
 安倍新政権にとって、維新は「アクセル」、未来は「ブレーキ」の役割を果たすと思われます。維新は協力姿勢を示していますので、ますます安倍政権のタカ派姿勢は強まるものと思われます。

 今回の選挙では12もの政党が候補者を立て、小選挙区でも多党乱立状態が生じました。このことも、自民圧勝をもたらした重要な要因となっています。
 小選挙区で「第3極」がバッティングした選挙区は半分以上の158に上るそうです。「反自民」や「非自民」の票が割れたために、相対多数の自民党を利するという結果になりました。
 前々回は自民圧勝、前回は民主圧勝、そして今回は自民圧勝と、オセロゲームのように勝者が入れ替わる小選挙区制がいかに不安定な政治制度であり、恐ろしい選挙制度であるかということは、自民党も民主党も身にしみて分かったことでしょう。このような制度によって日本の政治は翻弄されており、その廃止による選挙制度の抜本的改革は待ったなしの課題になっていると言わなければなりません。

 今回の総選挙は、将来、日本が衰退と没落へと舵を切ったターニング・ポイントとして記憶されるかもしれません。もちろん、そうさせてはならず、そうさせないための努力と取り組みは、今後さらに必要になることでしょう。

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