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3月6日(水) TPPに参加すれば食の欧米化が進み日本人は短命化することになるだろう [TPP]

 「やっぱりな」と思いました。昨晩放映されたNHKクローズアップ現代の「沖縄長寿社会の危機 短命化する日本?」を見た感想です。

 この番組は、「沖縄長寿社会の危機」を取り上げていました。長寿日本一で、世界的にも長寿の島として知られていた沖縄がその地位を長野県に明け渡したことが明らかにされていました。
 しかも、65歳を境に、若くなるほど死亡率が高くなるというのです。それは、50年代における食生活の劇的な変化に深く関わっていることも示されました。
 現在、65歳になる人々の成長期に食の欧米化が進み、沖縄の伝統食から高脂肪食への転換がなされたためだと言うのです。そのために、内臓脂肪の蓄積や肥満が増え、メタボ体質となった若者の死亡率が急増しています。

 ここで思い出されるのが、3月3日のブログ「コメ中心の日本の農業はすでにアメリカによって破壊されてきたことを知るべきだ」で書いた日本人の食生活の変化です。本土では、コメ中心の食事からパン食への変化が給食などを通じて生じました。
 恐らく、同じような変化は沖縄でも生じていたでしょう。それだけでなく、沖縄の伝統的な食事から欧米風の食事への転換は、もう一つの要因によってさらに強められたのではないでしょうか。、
 NHKの番組ではひと言も触れられませんでしたが、それは米軍基地の存在です。アメリカ風の肉中心の食事も、米軍の強い影響の下に沖縄の伝統的な食生活を変えてしまったのではないでしょうか。

 沖縄の伝統食も日本伝統の和食も、このような脂肪の取りすぎや肥満を防止するうえで大いに効果があること、健康に良いことが知られるようになりました。世界的な和食ブームは、そのことを裏付けています。
 それなのに、アメリカからの直接的間接的な圧力を受けて、コメからパンへ、和食から洋食へと、食生活の転換が図られてきました。その結果、コメ中心の日本の農業が衰退しただけでなく、「長寿崩壊の危機」が訪れ、「短命化する日本」への変貌が危惧されるようになってきたのです。
 今問題とされているTPPは、このような食のあり方にも大きな影響を与えることでしょう。それも、肉や乳製品などの輸入を促進して欧米化を進める方向で……。

 TPPに参加すれば、食品の安全基準の緩和や遺伝子組み換え食品の流入など、食の安全が脅かされるのではないかという心配があり、日本人の健康は大きな危険にさらされることになります。それに加えて、外国からの安くていかがわしい食品の流入と食の欧米化が進行することによる健康リスクの増大も無視できないということを、この番組は教えてくれているのではないでしょうか。

 なお、この番組では、沖縄の食生活を変えるうえで大きな意味があったであろう過去における米軍基地の存在、今後大きな意味を持つであろう将来におけるTPPの影響には何も触れていませんでした。ここに、NHKの限界があると言わなければなりません。

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