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5月23日(木) 日本はなんて恥ずかしい国になってしまったんだ [報道]

 やっとの事で、長く続いた繁忙期にピリオドを打つことができました。『日本労働年鑑』第83集(2013年版)の執筆・編集の作業に一区切り付いたからです。
 1月後半から、約5ヵ月間に渡る繁忙期でした。しかも、今年は個人的に頼まれた論攷の執筆や取材・インタビュー、講演なども多く、目の回るような忙しさで、なかなかブログの執筆にまで手が回りませんでした。

 ところで、昨日の『毎日新聞』の夕刊を開いたら、「恥ずかしいぞ 原発輸出」という見だしが目に飛び込んできました。「特集ワイド」の記事で、「相手国の民主化 ブレーキも」「エコノミックアニマルから『野獣』」という見だしも見えます。
 リードには、次のように書かれていました。

 トップセールスの売り言葉は「世界一安全」−−。アベノミクスの成長戦略として原発輸出を掲げ、トルコ、アラブ首長国連邦(UAE)を訪れ、原発輸出を約束した安倍晋三首相。いまだ16万人もの原発事故の避難者がいることを思えば、「恥ずかしいからやめてくれ」と言いたくなる。なりふり構わず利益を追求する姿は、経済活動に血道を上げ、エコノミックアニマルとやゆされた時代よりも深刻ではないか。

 まったく、ここに書かれているとおりです。私も、「恥ずかしいからやめてくれ」と大声で叫びたいような気持ちです。
 輸出される原発プラントは、高濃度の放射性廃棄物を出さないとでも言うのでしょうか。その処理をどうするつもりなのでしょうか。
 もし、これらの国で事故が起きたら、責任がとれるのでしょうか。放射能汚染のために、今もふる里を追われ、異郷を彷徨わなければならない16万人もの人々の気持ちをどう考えているのでしょうか。

 さらに恥ずかしいのは、相次ぐ有力政治家の暴言・妄言です。これは、昨日の『東京新聞』の「こちら特報部」で扱われていました。
 「政治家の暴言 『外圧』で炎上」「無知の恥 鈍る国際感覚」「緊張感欠く国内メディア」という見出しが並んでいます。反対側の面には、「優越感捨て 協調学べ」「参院選では『まし』な選択を」という見だしも。
 記事のリードには、次のように書かれています。

 首相、東京都知事に大阪市長。昨今、日本とその東西を代表する人物の「暴言」が相次いで非難された。言葉の内容からは当然ともいえるが、問題の所在はもう一段深そうだ。というのも、いずれの発言も海外のメディアや政府の指摘により「炎上」したからだ。裏を返せば、国内の自浄作用は働かなかった。私たちメディアの責任もあるだろう。原因と改善策を識者の皆さんに聞いた。

 これも、まさに指摘されているとおりでしょう。ここに挙げられていませんが、もう1人、石原慎太郎前東京都知事もいます。
 日本の恥を海外にさらしている4悪人というところでしょうか。同じ日本人として、誠に恥ずかしく、情けない限りです。
 安倍晋三首相は、「侵略の定義は学界的にも国際的にも定まっていない」と先の戦争について弁解し、石原慎太郎前都知事も「あの戦争が侵略だと規定することは自虐でしかない」と居直っています。また、猪瀬直樹都知事は、「イスラムの国々というのは、彼らが共有しているのはアラーの神だけで、互いに争いばかりしている」と言って国際社会から批判され、橋下徹大阪市長は「慰安婦制度が必要なのは誰だって分かる」と暴言を吐き、沖縄駐留米軍の司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」とアドヴァイスして顰蹙を買いました。
 責任ある地位の人々が、このような暴言・妄言を吐き、東京の新大久保では在日韓国・朝鮮人を侮蔑し脅迫するようなデモが繰り返されている。外国人が見たり聞いたりすれば、「一体、この国はどうなってしまったんだ」と思うことでしょう。

 これらの有力政治家の暴言・妄言は決して許されず、謝罪して撤回し、公職から退くべきです。同時に、『東京新聞』が指摘するように、「いずれの発言も海外のメディアや政府の指摘により『炎上』した」もので、「国内の自浄作用は働かなかった」という事実も無視できません。
 私は、3人の方と共に『テレビはなぜおかしくなったのか』という共著を高文研から出しましたが、「おかしくなった」のは、テレビだけではありませんでした。日本のマスメディア全体がおかしくなってしまったようです。
 また、これらの人々が選挙で選ばれているという点も重要です。最終的には、これらの人々を支持し、投票で選んだ有権者の責任が問われることになるでしょう。

 来る東京都議選や参院選では、このような形で責任を問われるような選択を行ってはなりません。騙されて投票し、化けの皮が剥がれてから、「しまった」と言ってみても、もう手遅れなのですから……。

 というわけで、これからは多少、余裕ができるのではないかと期待していますが、実際にそうなるかどうかは分かりません。というのは、今月から来月にかけて以下のような講演を依頼されているからです。
 いずれも、一般の方の参加が可能ですので、お近くの方に足を運んでいただければ幸いです。また、これからの講演会で関係者の方にはお世話になりますが、よろしくお願いいたします。

*5月25日(土)午後1時から台東区・金杉区民会館下谷分館にて台東9条の会主催声をあげよう!憲法下町のつどい:「憲法の危機-活かそう憲法、つくろう私たちの未来」
*6月8日(土)午後1時30分から新潟市・東区プラザにて新潟医療生協九条の会主催:「今こそ輝け、憲法9条-安倍改憲戦略と日本の行方」
*6月9日(日)午後1時30分から東大和市・向原市民センターにて新婦人東大和支部主催講演会
*6月16日(日)午後2時から千葉・成田中央公民館にて成田9条の会主催平和を願う市民のつどい:「平和憲法が危ない!!」
*6月23日(日)午後1時30分から静岡南部公民館(ホール)にて静岡駿河区九条の会主催講演会
*6月25日(火)午後2時から本郷いろはビルにて出版OB九条の会主催:「ストップ!!憲法改悪-日本の進路と憲法をめぐる状況」

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