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6月14日(金) 国内外から孤立する安倍政権 TPP・原発・改憲・安保ノー、くらし守る政治の実現を(その4) [論攷]

〔以下の論攷は、『月刊 女性&運動』2013年6月号、に掲載されたものです。4回に分けてアップします。〕

 小選挙区制は憲法違反

 今回の総選挙で明瞭になったのは、「二大政党化」の破綻です。自民党も民主党も国民の願いを裏切り、政治を変えることができませんでした。前回の総選挙では自民党が断罪され、今回は民主党が見放されたというわけです。
 代わりに登場したのが日本維新の会などの「第三極」でしたが、その本質は自民党の応援団にすぎません。自民党の対極にあるのが共産党ですから、政策の中身からいえば「二極」です。「第三極」といわれる諸政党はその間に位置しています。
 しかも、総選挙では自民党が支持されたのではありません。小選挙区で自民党に投票した有権者は4分の1です。比例代表にいたっては16%ですから6分の1です。
 民主党から自民党に移った票も多くありません。自民党は前回と比べて得票率を増やしているわけではないし、得票数にいたっては小選挙区も比例区も減っているのです。
 政権を失ったときよりも支持者の数を減らしている。それにもかかわらず政権を奪い返しました。こういうデタラメが起きる選挙制度は変えなくてはならないと思います。
 ところが、いま提案されている0増5減案はやり方も中身もめちゃくちゃです。全政党に関わる制度改革を、与党だけで勝手に決めようとしているのですから。
 それに、格差を2倍以下にすると言っても1.998倍です。まるで、スーパーの安売り価格じゃありませんか。これは2010年の国勢調査の数値ですから、現時点では6選挙区が2倍を上回っています。
 選挙というのは選出母体が代表を選び、ルール決定を委任するシステムです。小選挙区制では必ず選出母体と代表との歪みが生まれます。イギリスでは得票数と議席が逆転したことが2度ありました。
 選挙の本来的な機能からいっても、一票の価値の平等からいっても、現行の選挙制度は違憲であり、選挙無効判決が出るのは当然です。抜本的な改革によって小選挙区制をやめ、比例代表制的な制度に改めるべきでしょう。

 自ら情報発信者になる

 このような間接民主主義の機能不全は、日本の政治に深刻な歪みをもたらしています。国民の声が国会に届かず、国政に反映されないからです。
 その結果直接、政治に働きかけようという人が多く生まれてきました。それが脱原発や反原発の官邸前行動です。他にもいろいろなテーマで、自分たちの要求や意見を直接国政にぶつけようとする行動が生まれてきています。このような変化は、きわめて重要です。
 ところが、マスコミはこれらの運動を敵視したり、無視したりしています。実際には多くの人がやっているのに、報道しないことによってあたかも存在しないかのように隠す、不可視化しているわけです。政党でいえば、共産党は完全に不可視化されています。
 マスコミ、つまり大量のコミュニケーションをになうべき情報伝達手段が非常に偏ってしまっています。マスコミも大企業になった結果、その幹部やトップは政権とツーカーの関係になってしまい、権力への監視や牽制という役割を充分に果たせなくなりました。
 これを最終的にチェックするのは国民です。記事や番組に対してメールや電話をする。抗議だけでなく、いいものには良かったと言ってください。マスコミ人の中にはジャーナリストとしての矜持をもち、国民の目となり耳となる志をもった記者もいますから、そういう報道陣を評価し、励ましてください。
 雑誌『アエラ』の特集で「女子ウヨ」という新語が登場していました。右翼的な女性のことです。従来、女性は革新的であると思われてきましたが、最近は「女性の保守化が止まらない」というわけです。
 逆に、「女子サヨ」という言葉がでてくるほどに進歩的な女性を増やし、左翼的な情報発信をリードして下さい。それには情報手段を一人ひとりが駆使することです。
 ICT(情報通信技術)を活用できるような能力・技術を身につけ、携帯電話やパソコンなどを活用してネットワークをつくり、情報の発信に努めて「ものをいう市民」「発言する市民」になってほしいと思います。
 そして、TPP、原発、改憲、安保等の問題で、女性の切実な願いを実現する政党を選んでもらいたいものです、そのための機会は、すぐにやってくるのですから。

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