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8月14日(水) 改憲・戦争準備内閣としての本質を露わにした安倍首相の決意 [憲法]

 日本に生まれた子どもたちが、この日本に誇りを持てる国をつくっていくのが、私の大きな目標だ。このための教育の再生、さらには将来の憲法改正に向けて頑張っていく、これが私の歴史的な使命であると思っている。

 安倍首相は、12日夜、山口県長門市で開かれたみずからの後援会の会合で、こう発言して「憲法改正」に向けての決意を示したそうです。「誇りを持てる国」をつくるための「教育の再生」と「憲法改正」が「大きな目標」だというわけです。
 そのために、戦争をしない国、できない国から、戦争をする国、できる国へと変えてしまおうとしているのが、安倍首相です。しかし、平和主義を転換し「平和国家」としての国際ブランドを捨ててしまうことが、「誇りを持てる国」をつくることになるのでしょうか。
 伊藤塾塾長の伊藤真さんは、「現行憲法は『戦争放棄』の章題で9条を定め、戦争の放棄、戦力の不保持、交戦権の否認という平和主義の三原則を明示」することで、「積極的非暴力平和主義の立場をとって」いることを指摘しています(伊藤真『憲法は誰のもの?』)。これは「非暴力の手段によって積極的な活動をすることを通じて他国から信頼され、攻められない国をつくる思想」(同前)であり、このような「平和国家」としてのあり方こそ、戦後の国際社会において誇るべき日本の姿だったのではないでしょうか。

 また、元内閣官房副長官補の柳沢協二さんは、安倍首相について「おそらくこの人物は、人の痛みとか過去の侵略による犠牲者の苦しみに寄り添うことができないという、人格的危うさを抱えているのではないか」と指摘しつつ、次のように述べています(『週刊金曜日』2013年8月2日付)。

 逆に改憲などして戦争放棄の理念を捨てたら、何ごとも平和的姿勢で臨むという自らの優位性を捨て去る結果になり、安全保障の観点から見て好ましくない結果を生むでしょう。今求められているのはこの憲法を持つことを誇りとし、そこに立ち返ることではないでしょうか。

 安倍首相は、この「誇るべき憲法」の内実を大きく変え、「自らの優位性」を捨て去ろうとしています。そのために、解釈改憲、実質改憲(立法改憲)、明文改憲という手法を組み合わせ、戦争準備を着々と進行させています。
 しかし、その最終的な目標=「歴史的使命」は、あくまでも「憲法改正」、すなわち明文改憲にあるということを、12日夜の山口県長門市での発言は示しています。憲法の解釈を変えることによってアメリカと共に戦争ができるようにしたり、実質的に憲法の内実を変えるというようなレベルでは満足できないということなのでしょう。
 この点にも、柳沢さんの指摘する「人格的危うさ」が示されているのではないでしょうか。「人の痛みとか過去の侵略による犠牲者の苦しみに寄り添うことができない」このような人物がトップリーダーであるこの国の不幸を、改めて痛感させられます。

 なお、明日から20日(火)まで、ふる里の新潟に帰省します。この間、ブログはお休みさせていただきます。
 連日の猛暑が続いています。これを何とか乗り切って、無事に涼しい秋を迎えたいものです。

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