SSブログ

11月29日(金) 参院選岡山選挙区の格差判決でついに出た違憲・選挙無効 [選挙制度]

 ついに出ました。参院選岡山選挙区の一票の格差をめぐる裁判で、違憲・選挙無効判決が。高裁レベルでは12年衆院選(2.43倍)を無効とした判断がありますが、参院選では初めてです。
 これで衆参両院ともに、選挙無効の判決が出たことになります。今後、最高裁でどうなるのか、注目されるところです。

 判決は区割りの規定を違憲と判断しましたが、無効訴訟は選挙区ごとに起こされていますので、対象となった岡山選挙区だけを無効としました。衆院の場合のように、一定の猶予期間の後に効力が発生する「将来効」ではなく、即時無効とした点も注目されます。
 それだけ厳しい判決だったと言えるでしょう。現行の選挙制度に対する司法の側のいらだちとそれを放置し続けてきた国会に対する厳しい批判が如実に示されています。
 ただし、被告の岡山県選挙管理委員会が上告するのは確実ですから、裁判はまだ続きます。この後、最高裁で確定しなければ同区選出の石井正弘参院議員(自民)の失職は確定しませんが、国会議員の正統性が大きく揺らいでいることは明らかでしょう。

 そのような正統性に疑義が持たれている国会で審議されているのが、特定秘密保護法案です。国民の知る権利や報道の自由を損ない、憲法違反の疑いが濃い法案の採決を、国民の声を無視する形で強行するようなことが許されるのでしょうか。
 議員の選出根拠と正統性を担保するための選挙制度について司法が「無効」だという判決を出しているのです。このような有害かつ無用な法案に時間を割いている余裕ないはずでしょう。
 比例代表的な制度に改める以外に、一票の価値の平等を完全に実現することは不可能です。やるべきことをやらず、やるべきでないことをやろうとしている国会の現状は極めて異常であると言わなければなりません。

 もはや、制度の骨格を維持したままで定数を削減するなどという小手先の対策は通用しません。衆参両院ともに、比例代表制的な選挙制度に向けて、直ちに抜本的な改革に着手するべきです。

 この記事を伝えた昨日の『東京新聞』の夕刊には、もう一つ、「陸自、独断で海外情報活動」「首相、防衛相 存在知らず」という注目すべき記事が出ていました。これは共同通信のスクープだと思います。
 陸上自衛隊の秘密情報部隊「別班」が勝手に海外でスパイ活動を行ってきたが、そのことは首相も防衛相も知らないという、驚くべき事実が暴露されています。本当なのでしょうか。
 すでに現状において、シビリアンコントロールを無視したこのような秘密組織が暗躍していたというのです。今後、どのような形で真相が明らかになっていくのか、大いに注目されます。

 なお、今後、以下のような講演会で話をする予定です。近くにお住まいで、関心のある方にご出席いただければ幸いです。

*11月30日(土) 午後2時から狛江市西河原公民館で、こまえ九条の会・平和憲法を広める狛江連絡会主催「集団的自衛権は憲法で許されるの?-許されると日本はどうなる?」
*12月4日(水) 午後6時半からさいたま市民会館うらわホールで、埼玉憲法会議主催「アベノ改憲暴走にストップを!-『戦争できる国』づくりは許さない」
*12月7日(土) 午後2時から世田谷区成城ホールで、世田谷9条の会主催「安倍首相の改憲戦略に立ち向かうために」
*12月8日(日) 午後2時から静岡市清水区生涯学習交流館で、清水区内9条の会主催「『戦争できる国』になっても良いのか-臨時国会をめぐる情勢と改憲の動き」
*12月15日(日) 午後1時から駒澤大学駒沢キャンパスで、基礎経済科学研究所主催「政治社会情勢の激変と労働組合運動の展望」
*12月21日(土) 午後1時半から茅野市で、茅野市9条の会主催「『秘密保護法』と『集団的自衛権』行使で日本はどうなるか」

nice!(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

トラックバック 0