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12月4日(水) 特定秘密保護法案を成立させてはならない [国会]

 これで、法案が成立しなくなれば、石破茂自民党幹事長の「功績」は大きいということになるでしょう。もし成立しても、この法律がいかに曖昧で危険なものであるかを明らかにしたという点では、国民の理解に一役買ったことになります。

 石破さんはブログで法案に反対する市民団体らのデモを「テロと本質的に変わらない」と書いて大きな批判を受け、この部分を削除しました。しかし、「絶叫戦術は本来あるべき民主主義の手法とは異なる」とし、デモを敵視する見方を変えていません。
 また、記者会見で「大音量のデモはテロにあたるか」と問われ、「『強要』されればそうだ」と述べています。法案第12条のテロの定義「国家や他人に主義主張を『強要』するための活動」に当たると言いたかったようです。
 石破さんにはデモや集会が直接民主主義のための重要な手段であるという認識が完全に欠落しています。それは「絶叫戦術」による「騒音」に聞こえるだけで、叫んでいる民の声に耳を傾けようとする姿勢は全くありません。

 このような石破発言に対して、民主・維新・みんな・共産・生活・社民・新党改革の野党7党の幹事長・書記局長は「言語道断の暴言」だとして「慎重審議」を与党に要求する共同文書に署名しています。この7党による国会内での抗議集会も開かれました。
 これも、石破さんがもたらした大きな成果だと言って良いでしょう。衆院で法案の修正に加わり、与党にすり寄ったみんなの党や日本維新の会も、これに加わったのですから……。
 この先、与党から公明党を引きはがし、自民党内の動揺を誘って「安倍官邸」を孤立させることが必要です。昨日の参院国家安全保障特別委員会の参考人質疑で、日本弁護士連合会の江藤洋一秘密保全法制対策本部長代行が「言論弾圧、政治弾圧に利用される可能性を示唆している」として廃案にすべきだと主張し、新聞労連の日比野敏陽委員長も「石破氏は(ブログを)撤回したが、事の本質が解決したとは思えない。当局が処罰対象を恣意(しい)的に運用するのは確実だ」と懸念を表明して法案を廃案にするよう訴え、全国地方銀行協会元会長の瀬谷俊雄東邦銀行相談役も「国家権力に対して、民間までが処罰の対象になるのは疑問だ」と述べて法案の慎重審議を求めたように、さらに攻勢を強めて、是非、特定秘密保護法案を廃案に追い込んでもらいたいものです。

 昨日の『東京新聞』『朝日新聞』『毎日新聞』は、この法案に対する反対運動を大きく取り上げています。報道の自由を侵し、自らを取り締まって処罰する可能性の高い法案ですから、それも当然でしょう。
 ところが、『産経新聞』は2面だけでで「石破氏ブログ 野党が集中砲火」「秘密保護法案 大詰め攻防」と国会内の動きを報じ、反対運動には全く触れていません。『読売新聞』はもっとひどいもので、記事は4面にしかなく、「秘密保護法案 野党に焦り」「政府・与党『会期内成立』変えず」と、追い込まれているのは野党の方であるかのような書き方をしています。
 『日経新聞』でさえ1面下のコラム「春秋」で、「特定秘密なるものの範囲が極めて広くあいまいで、お役人がその気になれば何だって秘密にできる。そもそも何が秘密かうかがい知れないのだから戦慄すべきである。最高刑は懲役10年と重い」、「時間をかければ、ずっとましな修正案にだってたどり着けよう。しかし1強支配の政権党にその気配はなく、石破茂幹事長が反対デモをテロ呼ばわりする始末である。さすがにあわてて撤回したが、世間ではこれを増長と言う」と批判しているのに、この2紙の体たらくは際だっています。まるで、特定秘密保護法が成立する前(『東京新聞』『朝日新聞』『毎日新聞』『日経新聞』)と、成立した後(『産経新聞』『読売新聞』)の報道姿勢の違いを示しているようなものではありませんか。

 特定秘密保護法が成立すれば、どの新聞も『産経』や『読売』のような「御用新聞」になってしまうでしょう。そうしないためにも、このような稀代の悪法を成立させてはならず、廃案に追い込まなければなりません。

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