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12月14日(土) 今日の『朝日新聞』に石破発言に対するコメントが出た [マスコミ]

 このところ、報道機関などからの取材が相次いでいます。『日刊ゲンダイ』からの取材はいつものことですが、それ以外にも、『共同通信』『革新懇ニュース』『週刊大衆』『読売新聞』『東京民報』『朝日新聞』『産経新聞』などからの取材がありました。
 このうち、『読売新聞』へのコメントはトラブル続きのJR北海道の労働組合や労使関係についてのもので、12月11日付の北海道版に出たのではないかと思いますが、まだ確認していません。昨日、研究所に電話で取材があった『朝日新聞』へのコメントは、今日の朝刊に出ています。

 この『朝日新聞』からの取材は、このところの石破茂自民党幹事長の発言についてのものです。石破さんは、ブログでデモとテロを同一視するかのような書き込みをして批判され、「単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらない」とした部分に線を引いて削除し、「本来あるべき民主主義の手法とは異なるように思います」と修正しました。
 その意図についても、「市民の平穏を妨げるような大音量で自己の主張を述べるような手法は、本来あるべき民主主義とは相容れないものであるように思います」と書いています。「絶叫デモ」「大音量で自己の主張を述べるような主張」は、「テロ」と「あまり変わらない」もので、「民主主義とは相容れない」という主張の本筋は変わっていません。
 相変わらず、デモを敵視しているということになります。このような石破さんの本音は、特定秘密保護法によって指定される「特定秘密」を報道機関が報じることを控えるよう繰り返し求めている今回の発言にも共通しています。

 石破さんは11日の日本記者クラブでの会見で、特定秘密に関する情報を取材で入手した報道機関が報道することについて「抑制が効いてしかるべきだ」と発言し、暗に自制を求めました。その後、マズイと思ったのか、記者団に「報道機関に抑制を求めてはいない」などと釈明しました。
 しかし、12日のラジオ番組でも「(報道によって)大勢の人が死んだとなれば『それはどうだろう』となる」と指摘し、テロなどを起こす可能性がある場合には報道するべきではないとの考えを示しました。どのような情報であれ、報道するかどうかは報道機関が自主的主体的に選択するべきものであり、このような発言は報道の自由や国民の知る権利よりも国家の機密を重視する姿勢を鮮明にするものです。
 しかも、一連の石破さんの発言は、報道陣に問われて答えたものではなく、自分から進んでブログに書き込んだり、記者クラブでの会見やラジオ番組で発言したりしたものです。誤ってポロリと飛び出した「失言」などではなく、自らの信念に基づいて考えを明らかにした「確言」にほかなりません。

 これについて、今日の『朝日新聞』は38面で「石破氏、国家観かたくな」という記事を掲載しました。この記事の最後に私のコメントが出てきますが、それは次のようなものです。

 五十嵐仁・法政大教授(政治学)は、石破氏のブログでの記述は、「デモを敵視し、制限すべきものだという本音が出たのだろう」と話す。
 石破氏の一連の発言は、「特定秘密保護法の本当の狙いを口走ったのではないか、国民の反対の声もわかっていながらの発言で、政治家としても問題がある。盤石な議席を持つ与党のおごりがあらわれている」。

 秘密保護法について、安倍首相が記者会見で「秘密が際限なく広がり、知る権利が奪われる、通常の生活が脅かされるようなことは断じてない」と「火消し」に躍起となっているとき、与党自民党の幹事長である石破さんが、大音量のデモは「本来あるべき民主主義の手法とは異なる」と書いたり、「(報道によって)大勢の人が死んだとなれば『それはどうだろう』となる」と報道機関に自制を求める。まるで、「火を付け」て回っているようなものではありませんか。
 安倍さんの発言は「建前」で、石破さんの発言こそ「本音」なのではないでしょうか。「戦争オタク」安倍首相と「軍事オタク」石破幹事長の役割分担なのかもしれません。
 このような「本音」を隠そうともせず、堂々と明らかにして恥じることがないというところに石破さんの政治家としての本質が現れているというべきでしょう。同時に、「自民党一強体制」にあぐらをかく与党の幹事長としてのおごり高ぶりが示されているのではないでしょうか。

 なお、明日15日(日)、基礎経済科学研究所東京支部主催の研究大会で、「今日の政治社会情勢の激変と労働組合運動の展望」について報告します。会場は駒澤大学で、時間は午後1時からです。
 興味と関心のある方に御出席いただければ幸いです。

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