SSブログ

3月17日(月) 都政からストップ! 安倍「暴走」政治-都知事選挙の結果をどうみるか(その2) [論攷]

〔以下の論攷は、『学習の友』2014年4月号に掲載されたものです。2回に分けてアップします。〕

3,田母神候補の危険性

 今回の選挙では、極右の立場を明示していた田母神候補が六一万票も獲得したことが注目を集めました。これは二〇一一年の都知事選で共産党が推薦した小池晃候補の得票六二万票にほぼ匹敵するもので、決して少ない数ではありません。

●都民は「安倍カラー」をうけいれたわけではない

 同時に、田母神候補が石原都政の真の後継者として支援を受け、政治理念や信条において安倍首相に最も近い候補者だったことからすれば、その得票数は多くないという見方も可能です。都民は、石原慎太郎元知事の継承や「安倍カラー」を受け入れたわけではなかったからです。
 とはいえ、従来であれば「泡沫」扱いされても不思議ではない田母神候補が、これだけの得票をしたことは軽視できません。日本社会の右傾化を示す極めて危険な兆候であると言えます。とりわけ、若い有権者の支持が高かったのは特徴的で、ネットを活用した働きかけや、都心部の比較的裕福な中間層だけでなく現状への不満を募らせている若い貧困層からも支持を集めた結果であるように思われます。

4,今後の課題

 今回の選挙で宇都宮候補の健闘を生み出した市民との共同のひろがりを、今後の運動や選挙にも生かしていくことが必要です。同時に、次のような課題にも、早急に取り組まなければなりません。

●脱原発をめざし、安倍改憲策動に反対していく運動を

 そのひとつは、「一本化」をめぐって生じた脱原発勢力間の亀裂や足並みの乱れを早急に修復することです。原発をなくすのか、それとも維持・推進するのかという点での対決は、実は細川・宇都宮・舛添候補と田母神候補との間に存在していました。今回の都知事選で都民が選択した方向性は、遅かれ早かれ脱原発をめざすというものだったのです。
 第二に、今回の結果が安倍首相に対する信任を意味するものでも、その「暴走」を許すものでもないということです。細川元首相が立候補するという噂は自民党の危機感を高め、勝てる候補として舛添擁立を受け入れざるを得なくさせ、原発の争点化を避けるために舛添候補も「将来的な廃止を目指す」と言わざるを得なくなりました。これらの点で、宇都宮・細川の脱原発候補の立候補と脱原発政策の争点化には大きな意義がありました。
 第三に、舛添新知事と石原・猪瀬都政との共通点と違いをきちんと腑分けし、その公約や言説の実現を迫っていくことです。舛添さんは東京を世界一の都市にすると言い、近著『憲法改正のオモテとウラ』では安倍総理への批判と自民党改憲草案への反対を表明しています。その言葉通り、特養ホームの建設など福祉を世界のトップ水準にすること、脱原発に向けて再生可能エネルギーの充実に努めること、安倍改憲策動に反対することなどを厳しく求めていく必要があるでしょう。同時に、新自由主義的都政の推進、とりわけ安倍政権が進めようとしている国家戦略特区のお先棒をかつぐ可能性が大きいように思われます。これについて警戒し、東京での実行を阻むことも重要な課題です。


nice!(1)  トラックバック(0) 

nice! 1

トラックバック 0