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8月23日(土) 『18歳から考える日本の政治』第2版が法律文化社から刊行された [日常]

 長い間のご無沙汰でした。私の夏休みは20日に終わっていたのに、ブログを再開できませんでした。

 1週間の帰省の間に新聞がたまって山になっており、それを読んで整理する必要があったからです。そのうえ、故郷・新潟の日本文理高校が予想外の快進撃で、夜になれば阪神タイガースの4連勝と、野球から目が離せませんでした。
 このような事情で、ブログまで手が回らなかったというわけです。その結果、10日近くも間が開いてしまいました。

 さて、そろそろ充電期間を終わりにしなければ、などと思っていたところに、法律文化社から連絡がありました。拙著『18歳から考える日本の政治』の第2版が刊行されたという知らせです。
 この本の初版は2010年に刊行されました。お陰様で4刷りにまでなり、これは現在も刊行中です。
 しかし、その後、東日本大震災と原発の重大事故、民主党政権の崩壊と第2次安倍内閣の登場という大きな出来事が相次ぎました。当然ながら、これらについては記述されていません。

 というわけで、これらを含めて、その後の政治動向を補充した第2版を刊行することになりました。それが間もなく店頭に並びます。
 ぜひ、手に取ってみていただきたいと思います。ご購入いただくか法律文化社に注文していただき、「日本の政治」について「考える」材料として役立てていただきたいものです。
 「18歳から」ということですから、高校卒業程度の学力と理解力をお持ちの方なら、どなたにでも分かりやすく書いたつもりです。36歳以上なら2倍、54歳以上なら3倍も良く分かる(?)にちがいありません。

 以下に「第2版はしがき」をアップしておきますので、参考にしていただければ幸いです。

 主権者としての「知力」を養い、政治を見る目を鍛え、日本の政治を前進させていくために役立つことを願い、私は本書を執筆しました。それから4年が経過しています。この間、日本はかつてない大きな出来事に遭遇し、社会や政治も大きく変わってきています。その変化に応じて加筆し、必要最小限の事項を補充したのが、この第2版です
 本書刊行以降、日本が直面した何よりも大きな出来事は、2011年3月11日に勃発した巨大地震と大津波による東日本大震災、それに伴って発生した福島第1原子力発電所の過酷事故(シビア・アクシデント)です。これによって、日本の社会と政治が抱えていた問題点があぶりだされました。
 巨大地震の発生は自然現象であり、地震国日本にとっては避けられない災害です。しかし、それに対する備えがしっかりしていて救助・救援体制が万全なら、被害を最小にすることができたはずです。残念ながら、地震対策と津波対策も、その後の救助・救援体制も極めて不十分でした。原子力発電所の事故による避難についても、多くの問題がありました。
 これらの政治・行政上の施策や対応が不備であったため、失われずに済んだはずの多くの人命が犠牲になりました。こうして、政治が対応すべき大きな課題が浮き彫りになったのです。
 とりわけ、震災後の救援活動を阻み、放射能被害を避けるために周辺住民の避難や移住を余儀なくさせた福島第1原子力発電所の事故は、「安全神話」の破たんを明確にするものでした。原子力発電は国策として推進されてきたのであり、それに伴う巨大災害の発生はまさに人災というべきものです。この点でも、政治のあり方が鋭く問われました。
 他方、政治の面では、民主党を中心とした連立政権から自民党を中心とした連立政権への政権交代という大きな出来事がありました。2012年の自民党の政権復帰は、ほとんど民主党による「オウンゴール」とも言える失敗によるものです。
 しかも、自民・公明連立政権の首班として登場したのは、安倍晋三元首相でした。再登板した安倍首相は、当初は「アベノミクス」を掲げてデフレ不況からの脱却と経済の再生を目指しましたが、参院選で「ねじれ状態」が解消されて以降、第1次安倍内閣の目標であった「戦後レジームからの脱却」へと重点を移行させ、「積極的平和主義」に基づく「戦争できる国」づくりをめざすことになります。
 そのために、安倍首相は憲法9条の解釈を変え、集団的自衛権の行使容認を閣議決定しました。その結果、戦後の日本のあり方や国の形が大きく変わり、憲法の根幹である平和主義が有名無実となってしまう恐れが強まっています。
 日本は大きな転換点に差しかかりました。そのような転換が必要なのか、転換してどのような方向に進んでいくのかが、国民一人一人に問われているのではないでしょうか。日本と日本人の将来をかけたこのような問いに正しく答えることが、これまで以上に求められているように思われます。
 主権者としての「知力」を養い、政治を見る目を鍛えることがますます必要になっています。政治と政治家を見極め、誤りのない道を選択し、日本の政治を前に進めるために、これからもこの本が皆さんの役に立つことを願っています。

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