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2月17日(火) 集団的自衛権行使容認の閣議決定で公明党は騙されたことに気が付いているのだろうか [集団的自衛権]

 昨年7月1日に、集団的自衛権の行使容認についての閣議決定がなされました。そのために、与党であった自民党と公明党との間で協議が行われたことはみなさんご存じのとおりです。
 この協議で合意できなければ閣議決定は不可能でした。集団的自衛権の行使容認に慎重だった公明党は最終的に自民党の提案を受け入れましたが、その前提は憲法9条の範囲を逸脱しない「限定的」なものであるということでした。
 しかし、これは真っ赤な嘘でした。このことに公明党は気が付いているのでしょうか。

 もっとはっきりとした自民党の嘘もあります。合意の期限についての嘘です。
 自民党は集団的自衛権についての閣議決定を急いでいました。その理由は、日米防衛協力についての指針(ガイドライン)の改定に間に合わせる必要があるというものでした。
 しかし、このガイドライン改定の期限は日本側から持ち出したもので、14年中にという期限も絶対的なものではありませんでした。その証拠に、昨年中にガイドラインはまとまらず、今年の春まで先送りされています。

 ガイドラインに間に合わせなければならないというのは、閣議決定に腰が引けていた公明党をせかせるための方便にすぎなかったのです。この嘘にまんまとのせられた公明党は渋々ながら集団的自衛権の行使容認を認める閣議決定を了承しました。
 自民党は公党に嘘を言ってたぶらかしたのです。そのことを知ってか知らずか、公明党は立法化に向けてのさらなる与党協議に引きずり込まれています。
 そして、その協議の中で、期限についてだけでなく内容についても、自民党が嘘を言って公明党をたぶらかしていたことがはっきりとしてきました。もともと「限定的」な行使容認などは考えていなかったということが明瞭になってきたからです。

 昨日の衆院本会議での代表質問への答弁で、安倍首相は集団的自衛権行使容認の具体的事例として中東からの原油輸送路に当たるホルムズ海峡への機雷敷設を挙げ、「石油ショックを上回り、世界経済は大混乱に陥る。わが国に深刻なエネルギー危機が発生する」とし、昨年7月に閣議決定した自衛権発動の新3要件に該当する可能性があるとの認識を示しました。また、邦人輸送に当たる米艦防護も例示し、「米国艦船が武力行使を受ける明確な危険がある場合」も、同様に新3要件に該当し得ると指摘しています。
 さらに、首相は米軍の後方支援などを目的とした自衛隊の海外派遣について「将来、具体的なニーズが発生してから改めて立法措置を行うという考えは取らない」と述べ、恒久法制定を目指す考えを示しました。いずれも、閣議決定の内容を踏み越えるものです。
 このようなことは閣議決定には書かれていません。「限定」するつもりであれば、このような答弁がなされるはずがなく、公明党との違いが生ずる余地もなかったはずです。

 しかし、自民党と公明党との間には、重大な見解の相違があることがはっきりしてきました。自民党は、集団的自衛権の行使容認ということで、日本周辺だけではなく中東地域でも、軍事的な脅威だけでなく経済的な混乱に対しても、機雷の封鎖解除についても、行使容認を図りたいというわけです。
 さらに、邦人輸送の米艦防護や米国以外の艦船の防護、海外派遣のための恒久法の制定、日本人人質救出のための自衛隊の派遣に至るまで、一挙に実現させようとしています。これが「限定的」な行使容認ということになるのでしょうか。
 一体、どこが「限定」されているのかと、公明党は自民党に対して正すべきでしょう。もともと「限定」などする気はなかったのではないかとも……。

 ここまで嘘をつかれ騙されても、公明党は自民党との連立を続けるつもりなのでしょうか。集団的自衛権の行使容認について懸念を表明したことのある創価学会とその会員は、このような公明党の姿をどう見ているのでしょうか。
 このような形で足蹴にされてもまだ自民党についていくというのであれば、まさに「下駄の雪」だと言うしかありません。踏まれれば踏まれるほど、強く固く張り付いてしまうというのですから……。

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