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2月25日(水) 安倍政権は「下り坂」にさしかかったのではないか [内閣]

 昨日で64歳になってしまいました。この年になれば、誕生日を迎えて年を取ることには複雑な思いがありますが、この世に生を受けたことに対してはいくつになっても感謝したいものです。
 フェイスブックなどで、「お誕生日おめでとう」のメッセージを下さった方に、この場を借りてお礼申し上げます。文章を書くのは基本的にこのブログに限っておりますので、いちいちご返事を差し上げませんが、ご了承いただければ幸いです。

 さて、通常国会が始まり、安倍首相は「改革断行国会」だと意気込んでいました。しかし、次々にボロが出て暗雲が垂れこめつつあるようです。
 昨年の解散・総選挙を峠として「下り坂」が始まったのかもしれません。その坂が長いか短いかは、これからの私たちの取り組み如何にかかっているということになるでしょう。

 「政治とカネ」の問題がまたも表面化しました。予想していた通り、西川公也農水相が政治資金問題についての疑惑をもたれて辞任したからです。
 第2次安倍政権になってから政治資金の疑惑が指摘された小渕優子経済産業相と、選挙区で「うちわ」を配布して公職選挙法違反で刑事告発された松島みどり法相に次ぐもので、わずか4か月で3人の辞任になります。関連する砂糖業界からの「甘い汁」を吸っていたことや国の補助金を受けていた企業からの資金提供に問題があったわけです。
 地元では「カネ持ってコウヤ」と言われていたほど西川さんはカネに汚い人だったそうで、第3次改造内閣で再任される前から身内企業による献金が明らかになっていました。西川さんは辞表提出後、記者団に「私がいくら説明しても、わからない人にはわからない」と言って居直り、「これ以上、国会審議に影響を及ぼすことはできるだけ避けたい」と言って辞任しました。

 この発言からも分かるように、献金を受け取ったこと自体についての反省は全くありません。「悪いことをやったとは思っていないけれど、これ以上親分に迷惑はかけられないから、潔く身を引こうじゃないか」というわけで、まさにヤクザの論理そのものです。
 今後、問題の全容を明らかにして説明責任を果たすことが必要でしょう。安倍首相は、小渕・松島両前大臣の辞任の際、「任命責任は私にある」と述べ、今回の西川辞任についてもそう発言しました。
 その「責任」をどうとるつもりなのでしょうか。それとも、「任命責任」を口にすることはその場しのぎのための「方便」にすぎないものなのでしょうか。

 首相自身のヤジと虚偽答弁の取り消しという問題も生じました。その内容もその後の居直りも一国の総理大臣としては見苦しい限りであり、一刻も早く首相の座を去ってもらいたいものです。
 安倍首相は西川農水相の献金問題に関して追及した民主党の玉木雄一郎議員の質問の際、「日教組はどうするんだよ」などとヤジを飛ばし、翌日の同委員会でこの問題をただした前原誠司議員に「なぜあの時、日教組といったかといえば、日教組は補助金をもらっていて、そして、教育会館というものがあるわけでありますが、教育会館から献金をもらっている議員が民主党にはおられて、それに対する質問をかつて我が党がした時に、『これは別の団体だから関係ない』というのが、当時の民主党の政府としての大臣が答弁した見解であったわけでありますから、それをどう考えるかという指摘をしたところでございます」と答弁しました。しかし、これは首相の思い違いであったため、「先般前原委員への私の答弁のなかで正確性を欠く発言があった」と長々と言いわけしたうえで、「遺憾であり、訂正申し上げる」と発言しました。
 その後も「遺憾」を繰り返す安倍首相に対して、民主党議員から「謝罪はしないということか」と迫られ、ようやく「教育会館に対して、私の申し上げたことで不快な念を持たれた方がいたとすればこれは申し訳ないという気持ち。教育会館、関係者に対して申し訳なかった」と謝罪しました。この間の安倍首相の対応は、根拠のないヤジや答弁を行い、それについて間違いを突きつけられてものらりくらりと言い逃れしようとする見苦しい姿であったと言わざるを得ません。

 「成功は失敗の元」だということなのでしょう。野党の不意を突いた解散・総選挙で、安倍政権は3分の2を上回る与党勢力を維持することに成功しました。
 しかし、それが失敗の元だったのではないでしょうか。「して、やったり」という思いが、知らず知らずのうちに安倍首相の「おごり」を強めてしまったようです。
 「イスラム国」(IS)による日本人人質殺害事件での大失敗にもかかわらず、そのことを隠ぺいして内閣支持率を上げることにも成功しました。それが安倍首相の「慢心」を招き、「政治とカネ」の問題の軽視、思わず口を突いて出たヤジ、きちんと事実関係を調べないまま憶測で口走ってしまった虚偽答弁などに現れたように見えます。

 おごりと慢心が下り坂へと安倍首相を導いていったということでしょう。「一強多弱」などと言われる勢力関係の国会内にこそ、首相のつまずきの石が転がっていたということになります。

 なお、拙著『対決 安倍政権―暴走阻止のために』(学習の友社)が、3月1日(日)に刊行されることになりました。来週には書店などにも並ぶでしょう。
 購入ご希望の方は、学習の友社http://www.gakusyu.gr.jp/tomosya.htmlに直接、ご注文いただくのが確実だと思います。定価は1300円+税となっています。

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