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3月1日(日) 拙著『対決 安倍政権―暴走阻止のために』(学習の友社)が届いた [日常]

 昨日、拙著『対決 安倍政権―暴走阻止のために』が自宅に届きました。昨年末から書き始めて緊急出版した新しい本です。

 その内容については、2月13日付のブログ「新著『対決 安倍政権―暴走阻止のために』(学習の友社)の目次」で、すでに本書の目次を紹介しておきましたのでご覧ください。今回は、本書の意図と目的について明らかにした「はしがき」を公開することにしましょう。
 多くの方に読んでいただきたいと思います。10冊以上の数でまとまるようでしたら、私宛に直接、注文してください。
 定価は1300円+消費税ですが、著者割引で、8掛けの1040円+消費税にさせていただきます。ということで、よろしくお願いいたします。

はしがき

 幸兵衛 2014年もあと数日だが、一口で言うとアベノ何とかに覆われた妙な年だった。
 隠居 戦前の一時期がデジャ・ヴュ(既視感)風に重なるのだ。

 新聞に出ていた、このような会話が目につきました。これは松尾羊一さんが書かれた「長屋の隠居てれび指南帳」の最初の部分です。『毎日新聞』2014年12月25日付夕刊に掲載されていました。
 この幸兵衛と隠居との会話は、次のように続いていきます。

 隠 ……アベノミクスには国家総動員法に近い気分が見え隠れするのだ。……「産めよ殖やせよ、国のため」って。……先日、NHKが斎藤隆夫の反軍演説を取り上げていたが、今の国会は「翼賛議員」だらけだ。
 幸 政治に限らない。マスコミ、わけてもテレビの不元気さ。籾井勝人NHK会長以下経営委員の人選、一部の発言問題と「報道の公平」をめぐり自民党のテレビ局への圧力。……
 隠 もちろん民主主義の今とは次元が違う。一方的なプロパガンダ放送のラジオと戦果報道の新聞、無関心な国民以外は「非国民」の時代に戻ることはないだろう。そう言い切れるか。

 「そう言い切れる」と答えたい。そう言い切れる世の中にしていきたい。
 そう思って、この本を書きました。そのためにも、安倍政権と真正面から「対決」しなければなりません。そのための武器を鍛え上げ、皆さんの手に届けることが私の責任であり役割だと思ったからです。
 幸兵衛と隠居の会話にあるように、まるで「戦前の一時期」を目にするかのような光景が見え隠れする一年でした。力を信奉する好戦的軍国主義者によって「積極的平和主義」が唱えられ、非科学的な歴史修正主義と反知性主義の立場からの歴史認識や「教育再生」が押し付けられ、自由と人権、法の支配を尊重しない人物による「価値観外交」が展開される。まるで「ブラック・ジョーク」のような光景ではありませんか。
 その中心にいるのが、「もし私を右翼の軍国主義者と呼びたいのならどうぞ 」と居直った安倍首相、その人です。このような人とは、まず「対決」する必要があります。そのための勇気を持ち、覚悟を固めることです。本書は、そのために書かれました。

 14年末の総選挙で安倍首相は「圧勝」したと豪語しています。しかし、実際にはアベノミクスによる景気回復の一点に争点を絞り、集団的自衛権行使容認、原発再稼働、TPP参加、改憲など他の重要政策課題については徹底した争点隠しに終始しました。自民党への投票は「アベノミクスで景気が良くなるなら、もう少し様子を見てみよう」というもので、一種の「執行猶予」による支持であったと思われます。
 この先、景気が回復せず、消費不況や物価高で生活が苦しくなれば、この「猶予」はたちまち解除され、安倍首相には「実刑判決」が下されるにちがいありません。それを「白紙委任された」などと勘違いして、集団的自衛権行使容認の法改定や川内原発の再稼働などで新たな「暴走」を始めれば、その時には大きなしっぺ返しを食らうことになるでしょう。すでに、自民党が全滅した沖縄の小選挙区では、そのような前例が生まれているのですから……。
 また、1月に入って「イスラム国」(IS)を名乗る過激派集団による人質殺害事件が発生しました。このような残虐非道で残忍な犯罪は許されるものではなく、断固として糾弾しなければなりません。日本全体が敵視され、今後も標的とされる危険性が生じたことも重大な問題です。
 事件そのものは断じて許されない蛮行ですが、同時に、そのきっかけとなったのは安倍首相による「イスラム国」を名指ししての中東諸国への資金拠出表明であり、イスラエルとの友好関係を誇示した「挑発行為」だったという点も軽視するわけにはいきません。
 ISからの殺害予告は安倍首相の言動に対する報復としてなされ、人質の一人であった湯川遥菜さんを殺害したあとの動画では、「日本政府が72時間以内に何もしなかったから殺害した。アベがハルナを殺害したのだ」と明言しています。もう一人の人質だった後藤健二さんの殺害を明らかにしたビデオでも「安倍(首相)よ、勝ち目のない戦争に参加するという無謀な決断によって、このナイフは健二だけを殺害するのではなく、お前の国民はどこにいたとしても、殺されることになる」と、安倍首相が名指しされていました。問題は安倍首相にあったのです。
 首相の自己顕示欲と無分別が引き起こした悲劇が、今回の人質殺害事件でした。ひとりの愚かな首相の思慮に欠けたパフォーマンスが平和国家としての日本のイメージを大きく転換させ、世界中の日本人を危険にさらすことになったのです。

 これもまた、安倍首相の暴走が招いた重大な惨事だったというべきでしょう。このような暴走を阻止するには、まず「対決」するしかありません。ブレーキをかけて、ストップさせることです。同時に、対案を提起してハンドルを切り、進むべき方向を変えることも必要です。
 ブレーキをかけるためには、猛スピードで突っ走っている安倍首相が目指しているこれからの日本とはどのようなものなのか、それがいかに危険で国民を不幸にする道なのかを、まず理解していただかなければなりません。そのために、本書が役立つことを願っています。

拙著『対決 安倍政権―暴走阻止のために』(学習の友社、定価1300円+税)、3月1日刊行。
購入ご希望の方は学習の友社http://www.gakusyu.gr.jp/tomosya.htmlまで。


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