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4月13日(月) 統一地方選挙前半戦でも勝ったのは共産党だった [選挙]

 昨日、注目された第18回統一地方選挙前半戦の投開票がありました。この選挙戦でも勝ったのは共産党で、拙著『対決 安倍政権―暴走阻止のために』(学習の友社)で指摘した「第3の躍進」の波は、地方選挙でも続いていることが実証されたと言って良いでしょう。

 10道県知事選の結果は、与野党対決型となった北海道と大分で与党系候補が勝ったほか、その他の知事選でもすべて与党系の現職候補が当選しました。札幌、相模原、静岡、浜松、広島の5政令指定市長選では札幌が注目されましたが、民主などの野党系が推した元副市長が自民推薦候補を破っています。その他の4市長選では現職が勝利しました。
 知事・政令市長の首長選挙では、ほとんど大きな変化はなかったということになります。そもそも民主党などが対立候補を立てられず、相乗りするというていたらくでしたから、このような結果になることは目に見えていたと言って良いでしょう。
 今回の統一地方選挙では、無投票当選の比率が高くなっていることや投票率が低くなっていることが注目されていますが、これも民主党の責任です。与党に対抗して地方政治でもきちんとした対立軸を明らかにし、もう一つの選択肢を提起することは野党第一党の重要な役割ですが、民主党がこのような責任を放棄した結果、選挙にならなくなったり、興味や関心が失われたりしてしまったからです。

 他方、大きな変化があったのは道府県議会や政令市議会の議員選挙の方でした。こちらの結果は、地方においても日本政治の地殻変動が生じつつあることをはっきりと示しています。

 第1に、共産党の大躍進です。共産は前回の選挙で議席を獲得できなかった栃木や神奈川などで議席を獲得して8年ぶりに100議席台を回復し、111議席となって前回より31議席も多く当選しました。政令市議選でも136議席を獲得しています。
 その結果、今回の統一選の対象外の6都県を含め、初めて47都道府県全ての議会で議席を得るということになりました。共産党の結党以来、これは史上初めてのことになります。
 「第1の躍進」や「第2の躍進」の時にもなかったことであり、地方政治における草の根の力の増大を如実に示すものとなっています。安倍政権の暴走に対して明確な対立軸を提起し、候補者を立てて選択肢を提供するという、本来であれば野党第一党が担うべき役割を共産党が果たしていることに対する有権者の評価と信頼の現れでもあると言えるでしょう。

 今朝の7時のNHKニュースでのアナウンスは、この統一地方選前半戦で示された最大の特徴である共産党の躍進について、全く触れていませんでした。画面上に、テロップが出ただけです。
 共産党が1.4倍弱ほども議席を増やして空白議会をなくしたという史上初めての事態が生じたにもかかわらず、それを最初に報ずることも、アナウンサーの口からきちんと伝えることもしなかったわけです。ここに、籾井会長に支配されている現在のNHKの姿勢がはっきりと表れています。
 これまでになかった重要な「ニュース(新事実)」を真っ先に報じなかったことは、安倍政権や自民党への遠慮からくる「自粛」にほかなりません。同時にそれは、報道機関としての感度を鈍らせ、ジャーナリズムの担い手としてのNHKの衰弱をもたらしています。

 第2に、民主党のふがいなさです。民主党は首長選挙で与党に対する候補を立てることができず、与党候補への相乗りも少なくありませんでした。
 岡田代表の地元である三重県でも対立候補をたてられず、不戦敗となっています。よしんば対立候補を立てられなかったとしても、与党候補への相乗りは野党第一党としての沽券にかかわるとは考えなかったのでしょうか。
 議員選挙でも、前回から約4割も候補者を減らして345人の擁立にとどまり、264人の当選で前回より82人も少なくなっています。これが自民党の当選者増をアシストする結果的になりました。

 第3に、与党のしぶとさです。首長選挙で与党が敗れたのは札幌市長選挙だけで、あとは全て与党系候補の勝利に終わりました。
議員選挙でも、自民党は前回獲得した1119議席を34人上回る1153議席を獲得し、総定数の過半数(1143)を超えました。1991年以来24年ぶりに総定数に占める議席占有率も5割を超えています。
 公明党は道府県議選と政令指定市議選に計344人を公認し、道府県議選で169議席、政令市議選で174議席を獲得しました。しかし、全員当選は果たせず、「常勝関西」と言われた大阪で市議選の此花区で新顔候補が落選するなど、これまでになく厳しい結果となっています。

 以上のように、今回の統一地方選挙の最大の特徴は都議選・参院選・総選挙に続く共産党の躍進であり、この勢いは後半戦でも続いていくにちがいありません。「第3の波」を生み出した「追い風」は、共産党の背後から一貫して吹き続けていると言えるでしょう。
 しかし、「風」が吹いていれば前進できるとは限りません。大きく「帆」を張ることができなければ「風」を捉えて推進力に変えることはできず、ただ頭の上を吹き抜けて行くだけだからです。
 上手に「風」を捉えて大きな推進力に変えることができるかどうかは、主体的な取り組みにかかっています。共産党にとっては、統一地方選挙前半戦での成果に安住せず、さらに強まった躍進の「風」をガッチリとつかんで巨大な推進力に変えられるかどうかが、これから始まる後半戦での課題だということになるでしょう。

拙著『対決 安倍政権―暴走阻止のために』(学習の友社、定価1300円+税)刊行中。
購入ご希望の方は学習の友社http://blogs.yahoo.co.jp/gakusyu_1/folder/197776.htmlまで。

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