SSブログ

6月3日(水) 平和な国を次の世代に手渡せるかどうかが問われている                          [論攷]

〔以下の論攷は『明るい長房』第149号、2015年6月1日付、に掲載されたものです。〕

 平安時代の法律か

 安倍内閣は新しい安保法制のための法案を国会に提出しました。自衛隊の海外派遣をいつでもできるようにする「国際平和支援法案」と武力攻撃事態法など現行法の改正案10本を一括した「平和安全法制整備法案」の2本です。
 政府はこれを「平和安全法制」と名付けました。略して「平安法」。「平安時代の法律か」と言いたくなりますが、これだけ「平和」や「安全」という言葉にこだわるのは、これらの法案が全く反対の内容を持っていることをごまかすためです。

 名は体をごまかす

 新しい法律が成立すれば、日本が攻撃されていなくても自衛隊は海外に派遣され、アメリカなどの「多国籍軍」とともに世界のどこでも戦争できることになります。実際には「戦争法案」なのです。「名は体をあらわす」という格言がありますが、これからは、こう変わるにちがいありません。「名は体をごまかす」と……。
 これらの法律が成立すれば、米国が介入したベトナム戦争やイラク戦争などの間違った戦争を手伝わされ、かえって国際平和を害することになります。自衛隊員と日本国民の危険は格段に高まり、安全が損なわれることになるでしょう。防衛費は増大し、国費が無駄遣いされ国民生活にも悪影響を与えます。

 米国の番犬

 山崎拓元自民党副総裁は、「今回の安保法制は、米国のいわば『番犬』となるための法整備となりかねない」と指摘し(4月3日付『朝日新聞』)、日本記者クラブでの講演でも「相当な審議時間を必要とするし、今の国会では未成立に終わるものも出てきてしかるべきだ。野党側も追及すべき点は追及して職責を果たしてほしい」と慎重審議を求めました。
 戦後日本の重大な岐路に際して、戦争か平和かが問われています。「専守防衛」を変質させ、平和国家としての日本の大転換をもたらす「戦争法案」を成立させてはなりません。
 平和な国を次の世代に手渡せるかどうかが、今を生きる私たちすべてに問われているのです。


nice!(1)  トラックバック(0) 

nice! 1

トラックバック 0