SSブログ

8月3日(月) 怒りを力に 安倍政権を包囲し打倒しよう [論攷]

〔下記の論攷は、『全国革新懇ニュース』第371号、2015.7・8月合併号、に掲載されたものです。〕

 「戦争法案絶対反対」「安倍政権は今すぐ退陣」という声が渦巻いていました。7月15日夜の国会議事堂前です。6万人もの人が集まった大群衆の中に、私もいました。
この日の午後、衆院安保特別委員会で「戦争法案」が強行採決され、翌16日の衆院本会議での採決を経て参院に送られました。夏までに成立させるという米国との約束を実行するためです。
 この法案については国民の過半数以上が憲法違反だとし、6割の人が今国会での成立に反対しています。「説明不足だ」という人も8割を超えました。審議すればするほど反対が増え、説明不足だという意見が増すのは、違憲法案で大きな欠陥を持っているからです。
 安倍政権は立憲主義を踏みにじり、憲法9条に反して「海外で戦争する国」への舵を切っただけでなく、民意を無視した強行採決によって議会制民主主義を破壊しました。このような「クーデター」まがいの暴挙を許すわけにはいきません。

 急速に拡大してきた反対の輪

 このような安倍政権の暴走に対して、「戦争法案」に対する反対運動が急速に拡大してきました。それはかつてないものであり、安保闘争にも似た広がりを見せ始めています。
 第1に、学者や弁護士など憲法の専門家の大多数が、この法案は「違憲」だとしています。それは憲法審査会に出席した3人の参考人だけではありません。東京新聞は大学で憲法を教える教授ら328人にアンケートを実施しましたが、9割に及ぶ184人が「憲法違反」だと答え、「合憲」と回答したのは7人(3%人)にすぎません。『憲法判例百選』の執筆者198人へのアンケートでも、憲法「違反の疑いない」はたったの4人でした。
 第2に、大学人や研究者、教育者なども反対の意思表示を行っています。「安全保障関連法案に反対する学者の会」の呼びかけに応えた賛同者は学者・研究者1万661人、市民20305人(7月16日午前9時現在)に上りました。
 第3に、古賀誠、加藤紘一、野中広務、山崎拓など自民党の元幹部や旧防衛官僚だった柳沢協二元内閣官房副長官補、旧外務官僚の孫崎享さんなども反対を表明しています。このような異例の事態が生じたのは、安倍政権による集団的自衛権の行使容認が現憲法の枠を踏み越えたからで、自民党が変質して右傾化したために保守勢力の一部が離反し始めたことを示しています。
 第4に、内閣法制局長官の経験者も違憲論を主張しています。第1次安倍内閣での法制局長官だった宮崎礼壱さんや小泉政権での法制局長官だった阪田雅裕さんなどがそうです。このような事実も、安倍首相が歴代政権の憲法解釈を踏み越えてしまったことの何よりの証拠です。
 第5に、地方議会でも法案への反対や慎重審議などを求める意見書採択の動きが続いています。意見書は405議会から衆院に提出され、うち「反対」「慎重審議」が393議会で、「賛成」「不明」が12議会だそうです(毎日新聞)。「反対」169議会のうち39議会で与党系議員が賛成していたように、地方でも保守勢力の一部が離反し始めています。
 第6に、大衆的な反対運動の地域・地方への拡大、幅広い層の参加など、大きな変化が生じています。デモやパレードは国会周辺だけでなく地域や地方都市にも広がり、宗教者、映画人、演劇人、文学者などに加え、「自由と民主主義のための学生緊急行動」(SEALDs)などの学生や若者、高校生、ママデモなど女性の参加も増えています。出版労連や日本医労連などスト権を確立する労組も現れました。

 安倍政権打倒から民主連合政府へ

 世論も変わり始めています。毎日新聞、NHK、日本テレビ系、朝日新聞などの調査では、支持率よりも不支持率が上回るようになりました。支持率も4割台を割り始めています。
 安倍政権による強行採決は、孤立し追い込まれた結果です。「戦争法案」のゴリ押しによって「何だか感じ悪いよね」という「フワっとした嫌悪感」が強まれば、さらに内閣支持率は低下するにちがいありません。
 さらなる共同の広がりによって「戦争法案」を葬るだけでなく、安倍政権を追い込み、内閣打倒へと結び付けていくことが必要です。いま形成されつつある国民的な包囲の輪こそ新たな革新統一戦線の芽生えです。それを大切に育て、やがて民主連合政府という鮮やかな花を咲かせようではありませんか。

nice!(1)  トラックバック(0) 

nice! 1

トラックバック 0