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10月8日(木) 第3次安倍「意味不明」内閣の発足 [内閣]

 第3次安倍内閣が発足しました。ひとことで言って、「意味不明」内閣です。
 最初から、期待されることを期待していないような顔ぶれになっています。「賞味期限」は来年7月の参院選までですから、それまで持てば良いと考えているのかもしれません。

 安倍首相は9月の自民党総裁選で再選されました。この機会に党の役員と閣僚を変えて人身を一新させたいと思ったのでしょう。
 しかし、「無理に人事をやるタイミングではなかった」という政府高官の声が伝えられているように、どうしてもやらなければならなかったというわけではありません。現に、改造は小規模にとどまりました。
 閣僚19人と自民党の役員5人の計14人のうち、今回の改造で交代したのは10人にすぎません。何故やるのか、「意味不明」な改造だったということになります。

 もちろん、自民党内には衆院で当選5回以上、参院で3回以上の「入閣適齢期」とされる人が70人を超えているそうです。これを減らさなければ党内での不満が高まるという事情もあったでしょう。
 しかし、新しい入閣者は9人にすぎず、依然として不満が残るものでした。安倍首相は「自民党は人材の宝庫だ」と言っていますが、それならどんどん交代させればいいじゃありませんか。
 実際には、そうはいきません。第2次改造内閣で3人の閣僚が辞任したように、危なくて使えない人ばかりなのです。

 それでも改造を断行したのは、戦争法案反対闘争で高まった安倍政治への反発と批判を和らげたいという狙いがあったからです。そのための「目くらまし」として、突然「一億総活躍社会」の実現というスローガンと「新3本の矢」という目標を打ち出しました。
 そこには二つの意味での「目くらまし」が意図されていたように見えます。その一つは、60年安保闘争の後、所得倍増政策によって政治から経済へという重点移動によって国民の支持を回復させた池田内閣をまねた「目くらまし」であり、もう一つは、新しい「3本の矢」を示すことによって、これまでのアベノミクスの失敗から国民の目をそらさせるという「目くらまし」です。
 しかし、2020年頃までに国内総生産(GDP)600兆円、20年代半ばに希望出生率1.8、20年代初頭に介護離職ゼロという目標は荒唐無稽で現実離れしたものです。「的」が遠すぎて「矢」は届かないということになるでしょう。

 党役員は全員留任で、閣僚も主要な部分はほとんど残留しました。新しい閣僚の顔ぶれもパッとしません。
 注目されるのは国家公安委員長で行政改革と防災担当を兼務する河野太郎さんですが、これまでの脱原発という主張を貫けるのでしょうか。矛を収めて脱・脱原発というようなことになれば、脱原発は単に入閣のための方便だったということになります。
 改造の目玉とされているのが加藤勝信一億総活躍相で、今回の改造に当たって安倍首相が打ち出した「一億総活躍社会」の実現を担当するのだそうですが、「意味不明」の最たるものです。実際には日本の人口は1億2685万人ですし、それを十羽ひとからげにして「活躍」させようというのは余計なお世話で、何が「活躍」なのかも分かりません。

 第2次改造内閣で打ち出した「地方創生」「女性の活躍推進」はどうなったのでしょうか。それがどの程度実現したのか、きちんと総括されていません。
 この時の「目玉」が古臭くなったから、「一億総活躍」にラベルを張り替えて目新しさを出そうとしただけなのではないでしょうか。これも「目くらまし」の一つです。
 しかも、達成年次は2020年代ということで、安倍首相の任期を越えています。目先を変えて期待を持たせ、来年の参院選さえ乗り切れれば実際に達成されなくても良いと思っているのかもしれません。

 国民も甘く見られたものです。アベノミクスの「3本の矢」で騙したうえに、「新3本の矢」でもう一度、騙そうというわけですから……。
 このような目論見を許してはなりません。「アベノミクス第2ステージ」は、経済成長によって得られた富を軍事力の増強へとつぎ込む、新「富国強兵」政策の「第2ステージ」にほかならないのですから……。

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