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10月25日(日) 戦争法案とのたたかいと政治変革の展望 [論攷]

〔以下の論攷は、9月26日の東京革新懇世話人会・学習交流会での講演を記録したもので、『東京革新懇ニュース』第406号、2015年10月5日号、に掲載されました。〕

 戦争法とのたたかいは、試合に負けたが勝負には勝った。決着は次の参院選、解散・総選挙でつける。国民の民主主義的覚醒―政治変革の必要性と決意、主体形成が促された。パンドラの箱に残った希望は民の声―それを国民連合政府樹立の力とするのが課題だ。

Ⅰ.国会での審議・採決を通じて何が明らかになったのか

 立憲主義・平和主義・民主主義が破壊されたのが、国民に明瞭に見えた。特に、立憲主義を変えることは許されないと、日常会話に立憲主義が出てくるようになった。
 民意は、「法案反対」51%(「朝日」)、「憲法に違反」60%(「毎日」)、「論議尽くされてない」75%(「朝日」)、「説明不十分」82%(「読売」)だ。

Ⅱ.戦争法案とのたたかいで何が明らかになったのか

 強く打てば強く響く―攻撃への反発や抵抗が生まれた。広範な人々が立ち上がり、全国2000ヶ所以上で数千回の抗議、累計130万人以上が路上で抗議した。相次いで新しい組織が結成され、労組など既成の組織は裏方に回って運動を支えた。

 デモの復権

 原発再稼働反対、秘密保護法制定阻止、戦争法案反対とデモの再生と拡大があった。デモの形態も多様で、「わたし」が主語で自分の言葉で話し、心を打つ内容だった。
 産経・フジ調査でデモ参加は3.4%(20歳以上で356万人)、「今後参加したい」18.3%。

 獲得された大衆運動の「新しい質」

 3つの潮流が合流し総がかり行動実行委員会を形成、市民運動を仲立ちとした連合系と全労連系の連携ができた。
 青年・学生参加の背景は貧困と不安であり、かつては「他者」のためだったが、今は「平和で安全な社会にしていく」「自己」のために立ちあがった。
 高齢者と若者、組織と個人、地方・地域と国会周辺のコラボ、土台と上部構造の関係だった。運動の武器としてのSNSが力を発揮した。

Ⅲ.政治変革・国民連合政府の樹立に向けて

 万余の人々への連夜の行動は政治教育となった。「戦争法案今すぐ廃案」から「安倍内閣は今すぐ退陣」へ倒閣運動へと転化した。持続的な運動による世論の変化、裁判闘争、選挙での落選運動がめざされる。
 共産党提案の国民連合政府は、入閣は条件にしていず戦争法廃止一点での共闘だ。国民の願いを優先させるか、党利党略に走って第2自民党になるかリトマス試験紙となる。
 解散・総選挙を要求しつつ参院選でネジレをつくり、衆院選で政権交代、暫定政府の樹立めざす。

 参院選での選挙協力がポイント

 参院選での1人区対策が重要で、民主・維新・共産・社民・生活の5党による選挙協力が出来るか問われる。与野党差は28で14議席覆せば逆転する。総議席の賛成派は148で反対派は90、改選の賛成派は65で反対派は56だ。
 しかし、民主党には、日本会議所属の長島昭久、原口一博、前原誠司、松原仁等がいる。

 今後の対決の焦点と条件

 カギを握るのは民主党だ。「右のドアを閉めて左のドアを開けよ」でなければ、民主党政権で「裏切られた」との国民の思いは払拭できない。
 上部だけでなく土台が変わり始め、本格的な政権交代の準備が始まっている。上からの風頼みの交代ではなく下からの草の根の力による交代へへ。

むすび

 「反共主義」では国民の期待に応えられない。
 気分としての「反自民」、政策としての「半自民」との中途半端さを克服し、安倍政権に対する対抗と政策転換の方向性を明確にする必要がある。
 この間の運動で培われた協力・共同の経験を生かして、草の根の地域から国会内や国政に至るまでの幅広い共闘を構築し、安倍首相の退陣を実現して政治を変えていくこと――これこそが安倍首相による「政治的プレゼント」を最大限に活用する道にほかならない。

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