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2月5日(金) 安倍政権の命取りになるかもしれない「政治とカネ」問題の噴出 [スキャンダル]

 通常国会は「政治とカネ」国会になりそうな様相を呈してきました。甘利明前経済再生相が、「甘」い「利」を得ていたことが「明」らかになっただけではありません。
 ここに来て、遠藤利明五輪担当相、島尻安伊子沖縄担当相、末松信介自民党参院議員などの疑惑も表面化してきました。対応いかんでは、安倍政権の命取りになるかもしれません。

 まず、金銭授受をめぐって大臣を辞任した甘利前経済再生相の問題です。都市再生機構(UR)は、甘利さんの元秘書との12回に及んだ面談内容の一部を公表しましたが、一部黒塗りになっています。そこには何が書かれているのでしょうか。
 URの理事長は、建設会社との補償問題について元秘書から「補償額の増額を求める言動はなかったと考えている」と国会で述べましたが、そもそも大臣の秘書が12回も面談を申し込んできたこと自体、奇妙で異例なことではないでしょうか。これほどの回数、面談しなければならない理由や必要性は、どこにあったのでしょうか。
 秘書に渡された口利き料500万円の原資が、URからの補償金だったこともわかりました。一連の甘利疑惑については、東京地検特捜部がすでにUR側に任意の事情聴取を始めているそうです。
 真相究明のために、野党は衆院予算委員会への甘利さんの参考人招致を求めていますが、安倍首相はこれを受け入れるよう自民党に指示すべきでしょう。自ら任命責任があるということを認めるのであれば、真相究明に手を貸すのは当然の責務でしょうから。

 次に、遠藤五輪担当相についての疑惑です。遠藤さんの政治団体が都内の外国語指導助手(ALT)派遣会社の創業者から多額の個人献金を受けていたのは口利きの結果ではないかと疑われています。
 文部科学省が2014年にALTに関する通知を出す直前、通知に関わる厚生労働省の担当者と派遣会社の社員が、遠藤事務所の仲介で面会していたことが分かっています。また、文科省の担当者は通知の内容を遠藤さんに報告しており、その通知は派遣会社に有利な内容で、遠藤さんも通知の必要性を訴えていたといいます。
 この通知は「ALTの請負契約による活用について」と題した文書で、文科省が厚労省の見解を紹介する形で全国の都道府県や政令市の教育委員会宛てに出したものです。遠藤さんは派遣会社などからの働きかけを否定していますが、通知への関与について説明を求められることは確実です。

 さらに、写真入りカレンダーの無料配布が問題とされていた島尻沖縄担当相にも新たな事実が判明しました。島尻さんが代表を務める自民党支部が選挙区内への寄附や有料広告を出していた疑いが持たれている問題をめぐって、沖縄県選挙管理委員会への情報公開請求で入手した領収書から、いずれの支出も公職選挙法の規定に抵触する可能性が高いことが分かったのです。

 おまけに、今夏の参院選で改選を迎える自民党の末松信介議員(兵庫選挙区)に、巨額の「出所不明金疑惑」が発覚しました。「政治資金オンブズマン」共同代表の上脇博之神戸学院大教授らでつくる市民グループは政治資金規正法違反の疑いで神戸地検に告発状を送っています。
 それによると、末松議員は2010年の参院選の「選挙運動に関する収支報告書」で、同年5月7日から7月23日の間に、自身が代表を務める政党支部から約1157万円の寄付を受けたと記載しています。ところが、政党支部の報告書に末松議員への寄付は記載されていないばかりか、政党支部の「収入総額」から「支出総額」を差し引くと約850万円しか残らず、とても1000万円以上の資金を出す余裕はなかったというわけです。

 まさに、浜の真砂は尽きるとも世に「政治とカネ」の問題は尽きまじ、と言いたくなるような惨状です。これ以外にも高木復興相など、今の安倍政権には疑惑が指摘されながらも「耐えて」逃げ続けてきた疑惑大臣がたくさんいます。
 野党は疑惑を追及するだけでなく、政治資金規正法改正案を提出するなど、「総攻撃」をかけなければなりません。この際、安倍首相の首を取るだけでなく、企業・団体献金をキッパリと禁止するべきでしょう。
 いくら個別の事例について責任を問うてみても、またぞろ同じような問題が出てくるだけだということは、これまでの経過から見ても明らかです。選挙制度を変えても「政治改革」にはならず、「政治とカネ」の問題は解決されなかったということもはっきりしています。

 「くさい匂いは元から断たなければダメ」なのです。「元」になっているのは企業・団体献金ですが、政治資金規正法によって政治家個人への献金は禁止されているものの政党支部への献金に抜け道を作っているため、これを塞ぐことによってしか「くさい匂い」を断つことはできません。
 ついでに政党助成金も止めて、政治資金は個人献金だけに限るべきでしょう。日本の政治を汚し堕落させてきたのは企業・団体献金であり、政党のあり方を歪めてきたのは政党助成金だったのですから。

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