SSブログ

4月6日(水) いつまでも「故郷はありがたきかな」と言えるような姿でいて欲しい [日常]

 しばらくの間のご無沙汰でした。4月1日から故郷の新潟に帰省していたため、ブログを更新できませんでした。
 毎年、正月に帰省していたのですが、今年は八王子市長選挙に立候補したためそれどころではなく、その代わりに今回の帰省となったわけです。この時期に帰るのは初めてで、春の息吹を感じたいということもありました。

 今回の帰省で、改めて「故郷はありがたきかな」と思いました。天候にも恵まれ、一斉に芽吹いた緑や花々を愛で、懐かしい友人たちと姪や甥の子供たちにも会え、新鮮な野菜や魚、肉に舌鼓を打ち、新潟の地酒を味わうことができました。
 近くの海岸を散歩し、春の日本海を堪能しました。今は鰆や大型の鯵が釣れると、釣り人が話していました。白く輝く谷川岳、八海山、米山、妙高山の雄姿を目にすることもできました。
 昨年開通した北陸新幹線の上越妙高駅も見学に行ってきました。というのは、この駅は私の実家から少し遠く、乗り継ぎの便が良くないためにまだ乗り降りしたことが無かったからです。

 その帰り、「日本三大夜桜」として知られる高田城公園に立ち寄りました。すごかったです、花も人も。
 満開には少し早いものの、6~7分咲きというところでしょうか。以前にも来たことがありましたが、広さにしても木の数にしても華やかさにしても、その時の印象を数段上回るすごさでした。
 三重櫓の手前の内掘に花見客が漕ぐボートが浮かんでいましたが、私が通り過ぎた暫く後、その1艘が転覆して1人の若者が亡くなりました。中学校を卒業して高校生になったばかりだそうで、誠に痛ましいかぎりです。

 故郷では、図書室のあるコミュニティセンター(希望館)で新聞を読んだり、坂口謹一郎博士の旧居を移築した坂口記念館で椿祭りの昼食会に顔を出したりしました。その行き帰りの途中、色あせた自民党のポスターを目にしました。
 安倍首相の顔写真とともに、「経済で結果を出す」「まっすぐ景気回復」と書いてあります。色も褪せてしまい、誠に白々しいかぎりのキャッチコピーです。
 そういえば、NHKの日曜討論で山本太郎さんが「自民党は毎日がエイプリルフールだ」と言って「TPP断固反対、ブレない、ウソつかない」というポスターを掲げ、話題を呼んでいます。TPPについての国会審議が始まりましたから、このポスターをプラカードにして自民党本部にデモでもかけたらどうでしょうか。

 農業について語るとき、安倍首相は決して「農家」という言葉を口にしません。守ったり支援したりする対象は「農業」であって「農家」ではないからです。
 「農業」は重要な産業であり振興しなければならないけれど、それは会社や大きな農業事業者に任せればよい、兼業農家や中小零細の農家が淘汰されるのはやむを得ないと考えているからです。その結果、農家が減少し農地が集中・集約されて大規模化することで、はじめて競争力のある産業としての「農業」を実現することができるというわけです。
 つまり、安倍「農業改革」にとって農家の減少と農村コミュニティの衰退は前提されていることになります。農業を成長産業にするという安倍首相の政策は、地方の農家と農村を犠牲にする恐ろしい構想にほかなりません。

 故郷の集落や田んぼ、畑などを見て歩きながら、暗澹たる気持ちになりました。これらの集落も、いつまで存立可能なのでしょうか。
 いつまでも、「故郷はありがたきかな」と言えるような姿をとどめていてもらいたいと思いますが、TPPや安倍「農業改革」の下で、それは可能なのでしょうか。故郷のあり方においても、日本は大きな政治の曲がり角を曲がろうとしているようです。

nice!(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

トラックバック 0