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5月24日(火) 沖縄での元米海兵隊員によるレイプ殺人事件が教える米軍基地撤去の必要性 [在日米軍]

 何ということでしょうか。またも沖縄で、許されざる犯罪が繰り返されました。
 沖縄の施政権返還後、米軍関係者による犯罪は5900件を上回り、その1割近い570件ほどが凶悪犯罪だといいます。そして今回もまた、沖縄県うるま市の20歳の女性会社員がレイプされて殺され、遺体で見つかるという凶悪犯罪が繰り返され、元米海兵隊員で米軍属の男が死体遺棄容疑で逮捕されました

 「基地あるが故の事件」がまたも起きてしまったということです。このような事件が起きるたびに、再発防止や綱紀粛正が叫ばれてきましたが、何の効果もありませんでした。
 「基地あるが故の事件」を防ぐための最善の手段は、原因となっている基地をなくすことです。これほど自明のことがいまだに理解されずにいるところに、このような悲劇が繰り返される根本的な原因があります。

 私にも2人の娘がいます。ある日突然、この娘が襲われ強姦・凌辱されて刺殺されるなどということは想像もできません。
 それが、沖縄では現実のものとなっているのです。娘さんの死体が遺棄された現場を訪れたお父さんの姿がテレビに映し出されていました。
 その悲しみと怒り、犯人への憎しみはいかばかりだったでしょうか。見ている私も、胸が張り裂けるような怒りを覚えました。

 この事件を受けて、昨日、沖縄県の翁長知事は首相官邸で安倍首相と会談し、「絶対許されない。綱紀粛正、徹底した再発防止というのはこの数十年間、何百回も聞かされたが、現状は全く何も変わらない」と抗議しました。そのうえで翁長さんは、「子や孫の安心、安全を守るため、大統領に直接話をさせてほしい」として、オバマ米大統領に面会する機会を設けるよう要請しました。
 これに対して、安倍首相は「今回の事件はあってはならないもので、身勝手で卑劣極まりない犯罪に非常に強い憤りを覚える」と応じています。ただ、同席した菅義偉官房長官は会談後、「一般論で言えば、安全保障、外交に関わる問題は中央政府間で協議するのが当然のこと」と述べて、面会について否定的な見方を示しました。
 沖縄県民の安全が保障されていないという現状に対する苛立ちと中央政府に任せておいても問題は解決しないという不信感があるからこその要請であるということが、菅官房長官には分かっていません。日米間での協議がこれまで何回も繰り返されてきたにもかかわらず問題が全く解決されていないから、翁長知事はやむにやまれず「大統領に直接話をさせてほしい」と要請したのではありませんか。

 この事件に抗議して県民大会が来月19日に那覇市内で開催される方向になったそうです。私も参加したいと思いましたが、あいにくこの日は地元での講演の予定が入っていました。
 県内自治体の議会でも抗議決議の動きが加速しているとのことで、被害女性の遺棄現場のある恩納村の村議会は23日、「沖縄県民に大きな衝撃と不安を与えた」として、事件の再発防止や日米地位協定の改定を求める意見書と決議を全会一致で可決し、うるま市や実家のある名護市、那覇市でも抗議決議が可決される見通しだといいます。沖縄県議会でも26日の臨時議会で与党案が可決される見通しになっています。
 このような形で、抗議の意思を示すことは極めて重要です。来る県議選でも、事件に抗議し、その原因となっている米軍基地の撤去を求める県民の願いをはっきりと示さなければなりません。

 同時に、沖縄県民だけでなく、日本国民全体が怒り、悲しんでいるということを日米両政府に分からせる必要があります。そのための格好の機会が訪れようとしているということを忘れてはなりません。
 まもなく実施される参院選(衆参同日選?)です。このような事件が起きるたびに解決するポーズだけで根本的な対応をサボり続け、あまつさえ辺野古に新しい基地を作ろうとしている自民党に、満腔の怒りを込めて懲罰を加えようではありませんか。
 政権交代を実現してアベ政治をストップさせることは、基地なき沖縄に向けての第一歩を意味することになるでしょう。かくも理不尽な暴力によって、たったの20年で人生を奪われてしまった女性とその家族の悲しみを癒し、再発を防ぐ道はこれしかないのですから……。


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