SSブログ

6月20日(月) 沖縄から発せられた6万5000人の怒りと悲しみの声にどう応えるのか [在日米軍]

 「安倍晋三さん、本土に住む皆さん、今回の事件の第2の加害者は誰ですか。(沖縄に基地を押しつける)あなたたちです。沖縄に向き合っていただけませんか。」

 被害女性と同じうるま市に住む名桜大4年の玉城愛さんが壇上で声を振り絞り、このように訴えると拍手と指笛がわき起こりました。昨日、那覇市で開かれた女性強姦殺害事件に対する抗議の県民大会です。
 強い怒りと深い悲しみを胸に約6万5000人が集まり、「二度と同じような事件が起こることは許さない」と、日米両政府に対して憤りの声を上げました。そしてその声は「本土に住む皆さん」である私たちにも向けられていることを忘れてはなりません。

 「米軍人・軍属による事件、事故が多い中、私の娘も被害者の一人となりました。なぜ娘なのか、なぜ殺されなければならなかったのか。今まで被害に遭った遺族の思いも同じだと思います。被害者の無念は、計り知れない悲しみ、苦しみ、怒りとなっていくのです。それでも、遺族は、安らかに成仏してくれることだけを願っているのです。次の被害者を出さないためにも『全基地撤去』『辺野古新基地建設に反対』。県民が一つになれば、可能だと思っています」という被害女性のお父さんからのメッセージも代読されました。その時、会場は静まりかえったといます。皮肉にも、容疑者逮捕から1カ月となるこの日は「父の日」でした。
 私にも娘が2人います。突然、このような理不尽な形で娘の命が奪われるなんて、想像もできません。
 将来ある若い娘の命が突然奪われたお父さんの悲しみと怒りはいかばかりでしょうか。その心情を思うと、やるせない憤りに心が張り裂けそうになります。

 72年の本土復帰から今年5月まで、沖縄での米軍関係者による事件は5910件発生し、うち殺人や強姦などの凶悪犯罪は575件を数えます。このような事実を知ってか知らずか、安倍首相は日米同盟の強化を繰り返し、普天間飛行場の辺野古移設が「唯一の解決策」だと主張しています。
 安倍首相には、沖縄県民の怒りの声が聞こえないのでしょうか。魂の底から発せられたような県民の慟哭が届いていないのでしょうか。
 今回の大会には県議会の野党である自民党や「中立」の公明党などは参加していません。これらの政党は沖縄の人々の悲しみや憤りを共有することができず、安倍首相をはばかって基地のない沖縄を求めることができなかったのです。

 今日の『毎日新聞』には、「基地があるから同じことが繰り返される。戦後71年間、(事件をなくすために)何もできなかった自分が悔しい」という県民の声が報じられています。基地あるが故の犯罪であり悲しみであるというのは、その通りです。
 しかし、「何もできない」わけではありません。一票という「武器」があります。
 それを用いて、沖縄に基地が押し付けられている現状を変えるべきでしょう。県民の命を守ることができない安全保障は自己矛盾であり、敵意に囲まれた同盟関係など無意味なのですから。

 とはいっても、沖縄の基地問題は沖縄だけで解決することはできません。米軍基地撤去を求める沖縄の声を真正面から受け止めて米側と交渉する政府が必要であり、それに応えて新たな政策展開を実行できる米政府も求められます。
 来る参院選と米大統領選挙を、そのような新たな政府と指導者の実現に道を開く機会にできるかどうかが問われています。このせっかくの機会を、沖縄県民だけでなく「本土に住む皆さん」である私たちも、沖縄の基地問題の解決のために有効に生かさなければなりません。

nice!(1)  トラックバック(0) 

nice! 1

トラックバック 0