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4月1日(土) 英国民も米国民も自らの選択がいかに間違っていたかを知るのはこれからだ [国際]

 イギリスもアメリカも、アングロサクソンの国です。第2次世界大戦前、イギリスは世界を支配する帝国であり、同様にアメリカは戦後の世界を牛耳る覇権国でした。
 しかし、この二つの国はかつての栄光と支配力を失おうとしています。その道は国民による選択の結果によるものですが、それがいかに間違ったものであったかを思い知るのはこれからのことになるでしょう。

 英国民は国民投票の結果、EUからの離脱を選択しました。先日、メイ首相は正式にEU離脱を通告し、2年間の交渉期間中に合意を目指しています。
 しかし、この合意はイギリスにとって過酷なものとなり、国民は自らの選択に対するツケを払わされるにちがいありません。EU首脳部はイギリスに続いて離脱する国が出ることを警戒していますから、離脱がいかに割に合わないものであるかを示そうとするからです。
 トゥスク欧州理事会常任委員長(EU大統領)が31日、離脱協定と通商協定を並行して協議するを認めないと表明したように、イギリスは大きな譲歩を求められ、それを受け入れなければ交渉はまとまりません。イギリスとの合意を犠牲にしても自らの存続を確実にし結束を固める道をEUが選択することは火を見るよりも明らかです。

 米国民は大統領選挙の結果、共和党のトランプ候補を選択しました。総得票数ではクリントン候補の方が多かったとはいえ選挙人の数で上回り、現行の選挙制度に基づいて当選したのはトランプさんです。
 過激で差別的な発言は選挙キャンペーン用で、当選すればまともになると見られていたフシもありました。実際には、中東6カ国からの入国制限、メキシコとの壁の建設、オバマケアの見直しなど、選挙中の公約の実現を目指して大統領令が署名されています。
 しかし、共和党主流派とのギクシャクもあっていずれも頓挫しており、支持者の期待は裏切られ続けています。政権の前途には暗雲が漂い、民主党から政権を奪い取った時点でトランプさんの役割は終わってしまったかのようです。

 イギリスとアメリカで生じた驚天動地の選択は世界を震撼させました。それぞれの国内だけでなく、世界中の人々の反発と不安を高めています。
 英国の離脱はEU崩壊と極右の台頭を懸念する人々の反発を強め、一定の揺れ戻しを生み出しました。アメリカ国内でもトランプ新政権に対する警戒と反発が生じ、支持率はかつてない低さになっています。
 公的権力の介入を排して規制緩和を推し進め、新自由主義によって貧困と格差を拡大してきた戦後政治の第2段階は、その病状を極大化させ、末期症状を呈してきているように見えます。このような「過渡期」を経て、どのような第3段階が姿を現すかが問われているのではないでしょうか。

 日本も例外ではありません。トランプ大統領は31日、日本や中国などを対象とする貿易赤字を制限する大統領令に署名しました。
 これによって保護主義的な通商政策が本格的に始動することになります。4月上旬に開催される予定の日米経済対話の中で、日本に対して厳しい要求がなされることは避けられません。
 日本でも、公的権力の介入を排して民営化や規制緩和を進め、新自由主義によって貧困と格差が広がってきました。このような戦後政治の第2段階の行き詰まりは、わが国でも明らかになっています。

 第2次安倍内閣の4年間によって、日本国民は安倍首相を選んだことがいかに間違った選択であったかを十分に学んだはずです。それはイギリスやアメリカに先んじており、アベ政治の暴走による害悪は「これから」ではなく、「これまで」も事実として積み重なってきました。
 そこからの脱出路がどこにあるのか、どのようにしたら脱出できるのかを発見し、英国民や米国民に示すのが、先んじて害悪を被って来た日本国民の責務でしょう。これこそが、通常国会後半戦における最大の課題だということになります。

 なお、4月の講演などの予定は以下の通りです。お近くの方や関心のある方に足を運んでいただければ幸いです。

4月1日(土)18時30分 船橋勤労市民センター:選挙で変える4区船橋市民の会
4月13日(木)18時30分 多摩市民館:川崎市多摩区・麻生区革新懇
4月14日(金)18時30分 全理連ビル:渋谷9条の会
4月16日(日)13時30分 新潟市ユニゾンプラザ:新潟県革新懇
4月22日(土)14時 甲府市ピュア総合(男女共同参画推進センター):山梨革新懇
4月28日(金)18時30分 八王子労政会館:八王子合同法律事務所

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