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5月14日(日) 9条「壊憲」をめざした「関ケ原の合戦」に向けて宣戦布告を行った安倍首相 [憲法]

 徳川家康が石田三成とのたたかいに向けて腹の内を明らかにしたのが「小山会議」でした。これが後に東西両軍が関ケ原で激突した天下分け目の合戦に向けての発端となります。
 安倍首相は読売新聞でのインタビューと改憲派の集会へのビデオメッセージを通じて、9条「壊憲」の意図を明らかにしました。これは「関ケ原の合戦」に向けて徳川家康が腹の内を明らかにした「小山会議」に相当する転換点です。

 「壊憲」に向けてのギアを入れ替えたということになります。与野党の合意をめざして「低速」で慎重な運転を行ってきたこれまでのやり方を投げ捨て、3分の2を占めている「壊憲」勢力だけで突っ走ろうというわけですから。
 安倍首相は9条の1項と2項をそのままにして、新たに自衛隊の存在を明記した3項を加えることで公明党を引き込み、高等教育の教育費無償化を書き込むことで日本維新の会を抱き込む方針を明確にしました。これに「日本のこころ」などの「壊憲」勢力を合わせれば、民進党などの協力を得なくても改憲発議が可能になります。
 これまでは、その後の国民投票まで見据えて野党第1党との協調を重視してきましたが、もはやそんな余裕はないと覚悟を決めたにちがいありません。安倍首相は、たとえ国民投票で否決されるリスクを犯しても自らの任期中に改憲発議を行い、国民投票の壁を乗り越えて何としても2020年までに施行したいと腹を固めたのでしょう。

 12日の党憲法改正推進本部(保岡興治本部長)の幹部会で柴山昌彦首相補佐官は保岡本部長を前に「高村氏が公明党の北側一雄副代表と与党間で調整するのがいい」と提案しました。高村さんは北側さんと太いパイプを持ち、この二人は集団的自衛権の部分的行使容認に道を開いた安保法制の原案作成を担当しています。
 柴山さんは安倍首相の意を汲んで、安保法制での「成功体験」を生かそうと考えたのでしょう。この二人に任せれば、あの時のように激しい世論の追及をかわして上手くやってくれるにちがいないと。
 公明党も甘く見られたものです。9条「壊憲」に消極的な姿勢を見せてはいても、どうせ同じ穴の「むじな」だ、これまでもそうであったように、「いやだいやだ」と言いながら適当なタイミングで足並みをそろえるに違いないと、安倍首相らはそう考えているのでしょう。

 首相に近い下村博文幹事長代行はBSフジの番組で、来年の通常国会への自民案提出を目指す考えを示し「自民党内で年内にコンセンサスをつくり、来年の通常国会に発議案を出せたらベストだ」と述べました。9条「壊憲」をめぐる最初の決戦は、このときになるでしょう。
 それまでは衆院での「壊憲」議席を維持しなければなりませんから、よっぽどのことがない限り、首相の側から解散・総選挙を実施することは避けようとするでしょう。2014年総選挙の数字を基にした新聞各紙の予測では、野党が共闘すれば自民党は議席を減らすということで一致していますから。
 これだけのスピードで突っ走るということは、民進党など野党との合意は二の次だということになります。こうして、9条「壊憲」をめぐる対決の構図は次第に明確になってきました。

 もし、来年の通常国会に自民党の原案が出されれば、9条をぶっ壊そうとする自公プラス補完勢力対それをを阻止しようとする民進党を含む野党4党との激突が生ずることになるでしょう。天下分け目の「関ケ原の合戦」の前哨戦です。
 解散・総選挙の前に改憲発議がなされたとしても、衆院議員の任期は来年の12月までしかありません。これまでには必ず解散・総選挙は実施されることになります。
 安倍首相が「壊憲」議席をこのまま維持したいと考えて総選挙を先延ばししようとするのであれば、改憲発議ができなくなるほどに議席を減らすことが獲得目標だということになります。立憲野党4党としては、できるだけ早く解散・総選挙に追い込むことをめざさなければなりません。

 日本の命運を決する重大な政治決戦の日が近づいているということになります。安倍首相の挑戦に対して市民と野党がどのように応えるのか、9条をめぐる「激突の時代」が始まりました。
 安倍首相は腹を固めたわけですから、私たちも腹を固めて対抗しなければなりません。一人一人の決意と本気度が試されることになります。

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