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9月9日(土) 民進党の山尾不倫疑惑による離党騒動で安倍さんはニンマリしているにちがいない [民進党]

 前原新代表を選んで船出したばかりの民進党でした。港を出る前に浅瀬に乗り上げ、座礁しそうです。
 何とか危地を脱して、大海原に乗り出してもらいたいものです。前原さんも保守派へのリップサービスなど面舵いっぱいの操舵ではなく、市民と野党との共闘という本筋を堂々と進んでいただきたいものです。

 都議選での歴史的惨敗と内閣支持率の急落によって窮地に陥った安倍首相は、北朝鮮によるミサイル発射や核実験を巧妙に利用し、支持率挽回を狙ってきました。事前に察知していたにもかかわらずミサイル発射を国民に知らせなかったのは、衝撃を大きくしてショックを与えるためだったと思われます。
 いわば「困ったときの北朝鮮頼み」です。自身への疑惑から目を逸らさせて支持率を回復するために、ワラにもすがる思いで金正恩政権にすがっているのではないでしょうか。
 安倍首相は国民の不安を和らげるための努力をするどころか、逆に無駄で無益な「ミサイル避難訓練」など不安を掻き立てています。これについて、私は『日刊ゲンダイ』9月1日付で、次のようにコメントしました。

 「北朝鮮の危機を煽ることで、国内でくすぶるモリカケ疑惑などから国民の目をそらすことが目的でしょう。冷静に考えれば、避難訓練でミサイルから逃れられないことは分かるはずです。しかし、こういったことを続けると、国民は思考停止状態に陥る可能性がある。『政府の言うことを聞かないと危険だ』と刷り込まれてしまうのです。」

 また、翌9月2日付の『日刊ゲンダイ』でも、私は次のようにコメントしました。

 「北朝鮮のミサイル発射に『圧力だ』と前のめりになっているのも、『アベノミクス加速だ』『人づくり革命だ』などとスローガンを次々と掲げているのも根っこは同じ。内政、外交ともに打つ手なしのお手上げ状態を隠すためには目先を変えるしか方法がないのです。北朝鮮問題では、そんな安倍政権の限界が如実に露呈していると言っていいでしょう。」

 このような安倍首相への格好の援護となったのが、民進党を離党した山尾志桜里元政調会長の不倫疑惑です。安倍首相を追撃するために、船長を変えて「いざ、追撃へ」と出港した途端に、座礁しかかってしまったのですから。
 「水に落ちた犬は打て」という魯迅の言葉があります。「水に落ちた犬」のようになった安倍首相からすれば、「打たれる」どころか「救いの手」を差し伸べられたようなものです。
 海の向こうでは北朝鮮の金正恩による無法行為が続き、永田町では野党第1党の民進党が自らこけようとしています。「内政、外交ともに打つ手なしのお手上げ状態」に陥っていた安倍首相はニンマリして、一息ついているにちがいありません。

 しかし、その安倍首相の周辺でも、不穏な動きが目立ち始めています。首相秘書官の今井さんが反旗を翻したとか、国家安全保障局の谷内局長が辞意を漏らしたという噂などが報じられました。
 また、安倍首相ベッタリで首相の「お気に入り」とされていたNHKの岩田明子さんが、『文芸春秋』10月号の「政界激変前夜~NHK解説委員の直言~失速への転機は2015年秋だった」という特集で「安倍総理『驕りの証明』」という記事を書いています。これについては、「安倍さん!ウラジオストックに行ってる間に 岩田明子が裏切りましたぜ」などと話題を呼んでいます。
 もともと沈みかかっていたのは、安倍首相の方だったのです。「水に落ちた犬」である安倍首相を、市民や他の野党とともに「打つ」のが野党第1党である民進党の役割ではありませんか。

 山尾離党が前原新体制にとって大きな打撃になることは否定できません。しかし、それを嘆いていても事態は好転せず、安倍首相を助けるだけです。
 判断の基準となるリトマス試験紙は安倍首相です。安倍さんを喜ばせるようなことをしてはなりません。
 安倍さんが「青くなる」ようなことをするべきです。今の安倍さんが一番嫌がることをしなければなりません。それは何でしょうか。

 民進党が早急に態勢を立て直し、市民と野党の共闘を前進させるためのリーダーシップを発揮して10月の衆院補選に向けての共闘を実現することです。一日も早く、自民党に勝てる体制を確立しなければなりません。
 前原さんは憲法審議への参加や野党共闘の見直しを指示したと報じられていますが、それで勝てると思っているのでしょうか。「好きか嫌いか」ではなく「勝つか負けるか」を基準に方針を決めるのが政治家としてのリアリズムではありませんか。
 出発した途端につまずいた前原さんに、失敗は許されません。民進党内外の信頼回復を図るために、リアリスト政治家としての本領を発揮することを前原新代表に強く期待したいと思います。

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