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3月24日(土) 「森友事件」を生み出した根本原因は「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」の暗躍にある [スキャンダル]

 森友学園への土地の格安売却とそれに関連する決算文書の書き換え問題は、もはや「森友事件」とも言うべき安倍首相夫妻による国家犯罪の様相を帯びてきました。来週27日の火曜日、事件の核心を握ると見られている佐川前国税庁長官の証人喚問が行われます。
 佐川さんには、ぜひ正直に、全ての罪をひっかぶってしまうことなく事実をありのままに話していただきたいと思います。「訴追の恐れがある」という理由で証言を拒んだり事実を隠したりしないように願っています。

 国民注視の証言をさせられる羽目に陥った佐川さんも気の毒です。たまたま森友学園への土地販売の件が国会で追及されたとき、担当の理財局長であったがために決算文書と矛盾するような答弁をせざるを得ない立場に追い込まれてしまったのですから。
 有りもしないゴミを理由に、国有地を8億2000万円も値引きして売り払ってしまったのは佐川さんではありません。その前の理財局長であった迫田さんです。
 前任者が実行した不正な土地売却の尻拭いをするための国会答弁であり、公文書の改ざんだったのです。その時たまたま理財局長で答弁を担当する立場にあり公文書管理の責任者であったために佐川さんは犯罪者として逮捕されるかもしれないリスクを負わされ、官僚としての保身本能から行った答弁のために事件の首謀者にされてしまったように見えます。

 この「森友事件」の首謀者は別にいます。それは「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」です。
 森友学園の教育理念に賛同し、新しい小学校設立のために格安での土地取得に便宜を図り、それが問題となるや慌てて決算文書の改ざんを指示した闇の勢力の存在こそが、国有財産である土地の不当廉売と国民の知的財産である公文書の改ざんの背後で蠢いていたのではないでしょうか。
 この「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」の存在については、森友学園への土地廉売疑惑が明らかになった1年前の時点からすでに明らかでした。このブログで私は森友学園疑惑について何度も取り上げ、次のように書き続けてきています。

2月21日「通常国会での第4の『アキレス腱』になりつつある森友学園への疑惑」
3月1日「森友学園が特別な学校だったから特別扱いされたのではないか」
3月2日「掘れば掘るほど疑惑の『ゴミ』が出てくる森友学園の深い闇」
3月3日「まだある森友学園と『瑞穂の国記念小学院』に関わる疑惑の数々」
3月4日「塚本幼稚園を応援していた『安倍夫妻と不愉快な仲間たち』」
3月6日「教育基本法の理念を否定して戦前回帰を目指す国粋主義的『愛国幼稚園』の実態」
3月7日「どうして一部のマスコミは森友学園の疑惑に対して及び腰だったのか」
3月11日「『安倍夫妻と不愉快な仲間たち』に対する責任追及の手を緩めてはならない」
3月15日「稲田防衛大臣の実の父親は森友学園の籠池理事長の知人だった」
3月19日「森友学園の籠池理事長だけでなく関係者は進んで真相究明に協力するべきだ」
3月24日「森友学園の籠池理事長に対する喚問によって『アッキード事件』の有力な証拠が示された」
3月28日「森友学園問題で安倍首相を追い詰めている3つの誤算」
4月3日「大統領の犯罪を弾劾して逮捕した韓国と首相夫妻の疑惑を究明できない日本」
4月5日「森友学園問題の背後に横たわっている構造的要因と力学」
4月29日「またも爆発した森友学園の籠池前理事長による爆弾証言」
5月17日「動かぬ証拠が立証する安倍首相夫妻による政治の私物化」
8月1日「森友学園疑惑での籠池逮捕を『トカゲのしっぽ切り』にしてはならない」

 それぞれの内容については改めてご覧いただくとして、ここでは「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」について書いた昨年3月4日付のブログの一部を再掲しておきましょう。

 「どうして森友学園だけがこのような特別扱いを受けたのかという核心に関わる問題です。
 その答えは、籠池理事長の教育方針が日本会議などの極右勢力の望む方向と一致し、安倍夫妻をはじめ、これらの勢力がこぞって協力したり応援したりしていたからです。塚本幼稚園の異様で特殊な教育を幼稚園だけでとどめず小学校以上の学校教育に持ち込もうという計画が今回の騒動の出発点ですが、このような時代錯誤でおぞましい教育内容を良しとする勢力が塚本幼稚園に総結集していました。
 そのことを明瞭に示している事実があります。それは塚本幼稚園で行われていた「教育講演会」です。
 http://www.tukamotoyouchien.ed.jp/lecture/

 このホームページには、「お子さんの教育は保護者の方々のしつけ、けじめに非常に影響されます。塚本幼稚園では、子供たちが将来立派な人間として成長し、我が国を率先して引っ張って行ける人材を共に育てるため、保護者の方々にもご成長していただきたく、著名な先生をお呼びし、講演をしていただいております」と、講演会の目的が書かれていました。対象は子供たちではなく「保護の方々」であり、「ご成長していただきたく、著名な先生をお呼びし」ているというわけです。
 それでは、どのような「著名な先生」が呼ばれ、どのような話をしていたのでしょうか。「過去の講演」として紹介されている主なものは、以下のようになっています。

平成28年11月19日:百田尚樹先生講演会「日本危うし。将来を担う子供達の時代を見据えて〜現代日本にとって危うく足りないものとは〜」
平成26年4月26日:曽野綾子先生講演会「人間を造るもの」
平成25年9月21日:平沼赳夫先生講演会「私の人生、生き方、心の持ち方」
平成25年6月22日:青山繁晴先生講演会「日本の出番をつくる」、青山繁晴
平成25年5月25日:竹田恒泰先生講演会「私の憲法論」
平成24年10月27日:渡部昇一先生講演会「修身について」
平成24年5月12日:中西輝政先生講演会「どうすれば、日本を良い国にできるのか」
平成23年11月3日:櫻井よしこ先生講演会「日本よ、勁(つよ)き国となれ」
平成23年5月7日:武(ママ)田恒泰先生講演会「日本はなぜ世界で一番人気があるのか」
平成21年5月9日:田母神俊雄先生講演会「国防理念なき日本民族の将来」
平成20年11月15日:中山成彬先生講演会「日教組の影と功罪」
平成20年6月22日:米長邦雄先生講演会「歴史と伝統、そして幸せの原点は家庭にあり」

 このように、百田尚樹、曽野綾子、平沼赳夫、青山繁晴、竹田恒泰、渡部昇一、中西輝政、櫻井よしこ、田母神俊雄、中山成彬、米長邦雄などの名前がずらりと並んでいます。これに安倍昭恵さんが加わり、安倍晋三さんもこのラインナップに仲間入りするはずでした。
 実は、森友学園からの陳情要請を暴露して渦中の人となった鴻池祥肇さんも、2008年7月12日に塚本幼稚園で開かれた「教育再生地方議員百人と市民の会」第10回定期総会で基調講演をしていました。まさに「右派論客」の総登場という豪華さであり、「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」の勢ぞろいといったところでしょうか。
 一幼稚園の講演会というには「立派」すぎるメンバーであり、森友学園の「総裁・理事長」である籠池さんの人脈と影響力のすごさをうかがい知ることできます。

 注目されるのは、この講演会に元NHK経営委員だった作家の百田尚樹さんが名を連ねていることです。NHKの関係者が関わっていたのは百田さんだけではありません。
 今もNHKの経営委員を務めている長谷川三千子埼玉大学名誉教授、日本会議代表委員も顔を出しています。長谷川さんは、昨年4月29日の『第11回「昭和の日」記念式典』で基調講演を引き受けています。
 そのテーマは「神やぶれたまはず―昭和精神史を考える」というもので、パネルディスカッションのパネラーには百田尚樹、曾野綾子、青山繁晴、竹田恒泰など、右派の論客がズラリと並んでいました。
http://www.tukamotoyouchien.ed.jp/lecture/

 塚本幼稚園はネトウヨ的な右派論客の巣窟だったのです。その組織的な結びつきは日本会議であり、精神的な紐帯は教育勅語であり、掲げられたシンボルは安倍昭恵総理大臣夫人でした。
 この幼稚園の何が支持され評価されていたのかは、推薦の言葉を見れば一目瞭然です。ホームページに掲載されていた「推薦の声」を紹介しておきましょう。

中山成彬先生 衆議院議員(元文部科学大臣)
 「私も塚本幼稚園を訪問したときのことを鮮明に覚えています。園児の成長に合わせた、いろいろ画期的な取組に感銘をうけました。子供たちが暗唱した教育勅語やその他の名文は子供たちの成長につれ、人生の祈り節に子供たちの良き同伴者として励まし続けていくことでしょう。幼児の頃の頭の柔らかい時に、人生の道案内になるような漢詩、美しい詩歌等を覚えさせることは、とても良いことだと考えます。(中略)子供たちの一生が幸せなものでありますように、持って生まれた可能性を十分に開花させられる人生でありますように心からお祈り致します。」

田母神俊雄先生 軍事評論家 元航空自衛官 第29代航空幕僚長
 「私は昨年塚本幼稚園の父兄参観日に幼稚園の教育の様子を見せていただきました。教育勅語の暗唱や論語の授業、そろばん、ラグビーの練習などを見て、塚本幼稚園では真に日本人づくりの教育が実施されていることを実感いたしました。「三つ子の魂百まで」の諺があるとおり幼児教育は人格形成上極めて重要です。籠池園長の明確な教育方針のもと、伸び伸びと育った園児の皆さんは今後大きく成長してくれるでしょう。国際化の時代にあって日本人のアイデンティティーを持っておくことは必要不可欠です。ご父兄の皆様は今後とも誇りある日本人を育てることを目指し、子供たちの無限の可能性を伸ばしてやって頂きたいと思います。」

西村眞悟先生 衆議院議員 元防衛政務次官
 「ここで過ごした三年間は、皆さんの生涯にとってまことに貴重です。何故なら、幼い頃の思い出こそ、一生を貫く「力」だからです。皆さんが、大きな声で読んだ論語の教え、また、教育勅語の尊い精神は、これから、楽しい時も、苦しい時も、悲しい時も、いつも生涯にわたって皆さんを支えるありがたい「心の力」です。この尊い教えを身につけた皆さんは、ご家族の宝であると同時に日本の宝です。皆さん、祖国日本への愛と、ご恩ある先生への感謝、友達への友情を忘れず頑張ってください。」

竹田恒泰先生 慶應義塾大学 大学院法学研究科講師
 「塚本幼稚園は、日本で最も素晴らしい幼稚園の一つです。そのような素敵な幼稚園で学ぶことができた卒園生の皆様、きっと立派な日本人になられるでしょう。小学生になっても、これまで学んできた事を忘れず、しっかりと勉強してください。勉強すれば何かが変わるはずです。皆さまが、将来の日本を支える、強くて優しい大人に成長するよう、期待します。」

 このような思想的な背景があったからこそ、森友学園は評価され応援されていたのです。これらの人々をはじめ、安倍夫妻のシンパシーを忖度する形で様々な便宜が図られたのではないでしょうか。
 もちろん、「安倍晋三記念小学校」という幻の命名や「安倍昭恵名誉校長」という肩書は、このような配慮や便宜が求められる際には、最大限利用されたにちがいありません。そのことによって、小学校設立の認可が容易になり、格安での用地取得が可能になり、戦前型軍国主義教育が是認されたとすれば、安倍夫妻の道義的責任は免れません。」

 これが「不愉快な仲間たち」の実態でした。驚くべきことは、森友学園の籠池さんにこれほど「豪華」な「応援団」がついていたということであり、今となっては、そのうちの誰1人として籠池さんや森友学園を「弁護」する人がいないということです。
 「弁護」するまでのことはなくても、非人道的で正当性の薄い長期拘留に異を唱えて、籠池さんを釈放するために力を尽くすぐらいのことがあっても良いのではないでしょうか。それなのに手の平を返すようにして、皆さん知らんぷりです。
 このような態度こそ、「人の道」に反するとは思わないのでしょうか。森友事件について無関係を装って口をつぐんでいる「不愉快な仲間たち」は、籠池さんや安倍夫妻を見捨てるつもりなのでしょうか。

 佐川さんはこれらの「安倍夫妻と不愉快な仲間たち」に利用され、貧乏くじを引かされた自己の立場を十分に自覚していただきたいものです。もう責任を取らされて民間人になったのですから、保身の必要はなく上司や政治家をかばう必要もありません。
 なぜ事実と異なった答弁を行ったのか、なぜ特別の便宜が図られ特例の措置が取られたのか、それがなぜ削除されてしまったのか、当初の決裁文書に「昭恵」の名前が書かれていたのはなぜか、なぜその名前を削ったのか。洗いざらい明らかにすることこそ官僚としての矜持と人間としての誇りを守る道なのだということを、前川さんに学んでいただきたいと思います。

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