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10月11日(水) 来年の参院選で自民党が苦戦する4つの理由 [参院選]

 昨日のブログで、「このような誤算がこれからも続くとすれば、長期政権どころか来年の参院選を乗り切るのも難しいのではないでしょうか」と書きました。「このような誤算」が続かなくても、「来年の参院選を乗り切る」ことは、安倍首相にとってかなり難しい課題だと思われます。
 今のままでも、自民党の苦戦は避けられません。その理由を、とりあえず4点ほど指摘しておきましょう。

 第1は、昨日のブログで指摘したように、自民党役員人事と内閣改造の失敗です。これによって内閣支持率を高め、勢いをつけて臨時国会を乗り切るという「スタートダッシュ」を決められず、国民の不信と自民党関係者の不安を引きずったまま政権運運営を続けなければならなくなりました。
 しかも、安倍首相にとっては最後の任期で先がなく、後継者争いが始まって早晩「死に体(レームダック)」化が避けられません。すでに、禅譲を狙う岸田政調会長が福井で後援会を立ち上げるなどの動きが始まっています。
 改造による政権浮揚に失敗しただけでなく、逆に、失言や暴言、スキャンダルの発覚や答弁の失敗などでいつ「爆発」するかもしれない「地雷」を閣内に敷設するような結果になりました。昨日のブログでも指摘したように、片山さつき地方創生担当相、桜田義孝五輪担当相、平井卓也科学技術担当相、原田義昭環境相などいわくつきの面々が顔をそろえ、当選回数ばかり多くても閣僚として役に立つかどうかわからない初入閣組の「ガラクタ」が7人もいます。大丈夫なのでしょうか。

 第2は、「公明党神話」の崩壊です。これまで自民党は連立相手である公明党、その支持基盤である創価学会に助けられて選挙を闘ってきました。
 しかし、公明党支持者の3割前後がデニー候補に投票した沖縄県知事選挙に見られたように、創価学会に対する締め付けが効かなくなってきています。『週刊ダイヤモンド』編集部の「「最強教団」創価学会の焦燥、進む内部崩壊の実態」というレポートhttps://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20181010-00181607-diamond-soci&p=1によれば、「会員の多くは学会の会員であると同時に“池田教”の信者でもある。「絶対平和主義」を掲げた池田氏のかつての言動と、執行部や公明党の方針に齟齬が生じれば、それは会員に「師匠の教えに背く反逆行為」と映る。実は全国各地で今、……幹部から「査問」を受けたり、役職を解かれたりする会員が急増している」といい、池田大作氏の直属の“親衛隊”ともいうべき人材グループで身辺警護や車両の運転に当たる「転輪会」メンバーの男性は、「池田先生がつくった学会は、完全に乗っ取られた。今の学会は宗教法人ではなく、単なる政治集団だ。師匠に反逆する執行部に対し、残されたわれわれ弟子たちが戦わなければならない」と語っているそうです。
 公明党は昨年の総選挙において小選挙区で1人落選させ、比例代表で初めて700万票を下回るなど敗北しました。来年4月の統一地方選挙や参院選を前に安倍首相に追随していると見られれば同様の苦戦は免れませんから改憲問題で距離を取らざるを得ず、自公の選挙協力にも陰りが生じているというわけです。

 第3は、これまでも触れてきた「亥年現象」というジンクスの存在です。12年に一度、統一地方選挙と一緒の年に戦われる参院選挙で、何故か自民党は苦戦するという結果が繰り返されてきました。
 事実、自民党結成後に実施された参院選で、1959年は唯一の例外ですが、71年、83年、95年に自民党は議席を減らしてきました。特に、前回の2007年参院選は第1次安倍政権の下で実施され、自民党の獲得議席は37議席と89年参院選以来の歴史的惨敗となって、60議席と躍進した民主党に初めて参院第1党の座を明け渡しました。
 このときの選挙では自民党と共に公明党も大敗し、神奈川県、埼玉県、愛知県の選挙区で現職議員が落選しています。市民と野党との共闘によってこの07年参院選を再現させることができれば、安倍政権に大打撃を与え安倍首相を政権の座から引きずり下ろすことができるかもしれません。

 第4は、16年参院選の実績です。3年前の参院選では32ある1人区で野党共闘が成立し、11選挙区で勝利することができましたが、これが繰り返されれば与党は3分の2の改憲発議可能な議席を失うことになります。
 この時の成績は、改選121議席のうち自民党が56議席で公明党が14議席と過半数を大きく上回りましたが、改選議席121の57.9%で3分の2を下回りました。自民党は3年前の参院選での当選65を9議席も減らしています。
 来年の参院選でも同じような結果になるとすれば、自民党の議席が減り公明党と合わせた与党全体としても3分の2の改憲発議可能な議席に達せず、この時まで発議できなければ、安倍首相の改憲野望は潰えることになります。前回参院選での野党共闘は2月19日の「5党合意」から始まり、投票日まで2ヵ月もない5月31日に一人区すべてで「1対1の構図」が確立していますから、それよりもずっと早く準備が可能な今回は、さらに強力な野党共闘の力を発揮できるはずです。

 来年7月の参院選まで、まだ10カ月もあります。しかし、もう10カ月しかありません。
 その時間を無駄にしてはなりません。野党間の共闘をどう強め、参院選をどう闘うのか、具体的な協議を始めてもらいたいものです。
 国民民主党を含めて、野党共闘に向けての態勢は整いつつあります。共産党の機関誌『前衛』での座談会や沖縄県の翁長前知事の県民葬での立憲野党代表の勢ぞろいなど、共闘に向けての機運は高まってきています。

 安倍内閣改造の不発と参院選での苦戦の予想が強まる中で、自民党内には来年の参院選で衆院選との「ダブル選挙」を行うべきだという声も出てきているようです。結構じゃ、ありませんか。
 衆参ダブル選挙で一挙に政権交代すれば、手間が省けます。その可能性も視野に入れた準備を、今から始めなけれなりません。

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