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5月15日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

 〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』に掲載されたものです。〕
 
*5月11日付巻頭特集「経済無策と外交破綻 令和効果が失せればこの政権は終わる」
 3日間で計850円もの下落だ。9日の日経平均株価は、前日終値比で200円46銭安の2万1402円13銭で取引を終えた。10連休明けの株価は3日間続落。連休中の5月1日に元号が「令和」に変わり、日本中に漂っていたお祝いムードに冷や水の様相である。

 「改元も新天皇の即位も日本国内だけのことで、元号が変わったからといって世界情勢や経済状況が一新されるわけではないし、われわれの日常生活も連綿と続いている。改元フィーバーに浮かれた10連休が終わった途端、日本が抱える諸問題を突きつけられることになりそうです。中身空っぽの政権が目いっぱい改元イベントを利用したところで、目の前にある危機はなくならない。むしろ、バカ騒ぎをあおって危機から目をそらしていた分だけ対応が遅れ、取り返しがつかないことになりかねません」(法大名誉教授・五十嵐仁氏)

 安倍が突然、「無条件で」日朝首脳会談を目指すと言い出したのも、日本中が改元イベントに浮かれていた連休中だった。

 「今まで『対話のための対話はしない』と、圧力一辺倒で拳を振り上げてきたのは誰なのか。ロシアとの北方領土交渉が行き詰まり、米国との貿易交渉もかなり押し込まれそうな中、急に日朝を持ち出してきた。外交の八方塞がりをゴマカすための目くらましなのは明らかです」(五十嵐仁氏=前出)

*5日14日付巻頭特集「日米交渉“やってるふり”「大相撲トランプ杯」の違和感」
 「安倍首相とトランプ大統領が、参院選が終わるまで日米貿易交渉の決着を先延ばしするという“密約”をかわしたことは、米タイム誌も報じています。本来、これは日本のメディアが一斉に報じるべき大スキャンダルですよ。安倍首相がトランプ大統領に弱みを握られたということですからね。そもそも、日米貿易交渉は、紛れもない『自由貿易協定交渉(FTA交渉)』なのに、いまだに大手メディアは安倍政権の言い分に従って『物品貿易協定(TAG交渉)』などと呼んでいるのだから、どうかしています。農産物や自動車だけでなく、アメリカは為替条項なども入れようとしてくるでしょう。貿易協定の締結によって、国益が大きく損なわれかねない。なのに大手メディアは、日米貿易交渉の本質を報じようともしない。恐らく、トランプ大統領が5月末、国賓として来日する時も、安倍首相と一緒にゴルフをしたり、大相撲を観戦する場面を大ハシャギして流すのだと思う。結果的に、日米蜜月の演出に手を貸し、他の問題から目をそらすことになるという自覚もないのでしょう。これでは、安倍首相も楽だと思います」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

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