SSブログ

4月8日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』4月8日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「本当は数十倍? いま必要なのは強権発動よりも正確な数字」

 この間、安倍政権は東京五輪開催に固執し、現実を直視せず、臭いものにフタを繰り返してきた。水際対策と称し、2月に横浜港に留め置いたクルーズ船で船内感染を蔓延させ、乗客を公共交通機関で帰路に就かせたため市中感染に飛び火。先月下旬に東京都台東区の中核病院「永寿総合病院」で発生した深刻な院内感染は、屋形船の集団感染との関連が浮上している。その一方、安倍はイベント中止、外出自粛、一斉休校などの要請や、国民的ニーズとは真逆のアベノマスク配布をブチ上げて“やってる感”を振りまくパフォーマンスに精を出していた。

 法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)は言う。

 「安倍政権の新型コロナ対応は政治的思惑で歪みきっています。緊急事態宣言は劇薬でさまざまな副作用、マイナス要因を包含している。感染抑止にどれほど効果があるかは判然としませんし、消費増税で傷んだ日本経済にはさらなる打撃となります。だからこそ、給付・補償なくして自粛ナシ、を明確にする必要がある。法律に基づく措置による損失をカバーするのは政治の責任です」

 コロナ禍を奇貨おくべしとばかりに、犬猿の仲だった安倍と握った小池も万死の同罪だ。6日も緊急会見でリーダーシップをアピールしていたが、五輪の開催延期が決定した途端、「首都封鎖」に言及し、チェーンメールが飛び交うパニックを引き起こしたのは、ほかならぬ小池だ。豊洲市場移転問題しかり、無能無策を棚に上げ、7月の都知事選再選に向けて危機を悪用しているのは疑いようがない。

 「小池知事が政府に重ねて緊急事態宣言の発令を求めたのは、一連の自粛要請に対する責任を取れない、あるいは取りたくないからではないか。夜間外出自粛要請の影響を受けた都内の飲食店などから休業補償を求める声が高まる中、宣言を機に政府に責任を押し付けようということなのでしょう」(五十嵐仁氏=前出)

 国のトップも首都のトップも場当たり、後手後手、無責任。土下座、退陣ものの国難の元凶どもがぬけぬけとしたものである。


nice!(1) 

nice! 1