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4月14日(火) 政治の要諦は国民の生命とくらしを守ることであることが理解できない安倍首相がトップであるという点に、この国の最大の危機がある [首相]

 新型コロナウイルスが猛威を振るい、いつ、どこで、誰が感染するのか、国民の多くは恐怖と不安を抱いています。こう書いている私も例外ではありません。
 4月に予定されていた講演や会議などはほとんどキャンセルされ、ひたすら自宅にこもって「コロナの災禍」が終息するのをじっと待つだけです。ただし、すでに仕事からリタイアしている年金生活者の身としては、自宅に巣ごもりしていても収入が途絶える心配がないというのはありがたい限りですが。

 このような中で、「緊急事態宣言」を発出し「7~8割の接触機会を減らすように」と訴えた安倍首相は、自宅で犬とくつろぐ動画を配信して多くの国民から顰蹙を買っています。安倍首相には、この動画が何故、大きな反発を引き起こして批判されているのか、理解できないのではないでしょうか。
 安倍首相も言ったように、議員や公務員は自宅に引きこもっても収入が減らないからです。選挙違反事件の疑いをかけられて、国会に出てこないで逃げ回っている河井夫妻に対しても、議員歳費は通常通り支払われ続けています。
 しかし、世の中は収入の心配をせず自宅に籠ることができるような人ばかりではありません。安倍首相にはこのような人々の姿は念頭になく、その苦境を想像することも思いやることもできないのです。

 本来であれば、「収入を減らさないようにしますから、仕事を休んでください」というべきではありませんか。ただ一方的に「出勤するな、営業を自粛しろ」と言われても、「はい、そうですか」と、従うわけにはいかない深刻な事情を抱えている人にとっては、自宅で犬とくつろぎながらコーヒーを飲んでいる安倍首相の姿は神経を逆なでするものだったにちがいありません。
 「私のように自宅にいなさい」と言いたいのであれば、まず、そうできるような条件を整えるべきでしょう。それによって収入が減ったり生活が苦しくなったりすることのないような手立てを講じてから、「外出しないでください」と呼びかけるべきではありませんか。
 こんな簡単なことも分かっていないということがあの動画から読み取れてしまうから、多くの国民の顰蹙を買い、大きな批判を浴びたのです。おそらく、安倍首相にはこのことも分かっていないのでしょう。

 新型コロナウイルスへの感染で生命の危機を引き起こさないようにするために外出や営業を自粛するからには、それによって生ずる損害を補償するということを示さなければなりません。「自粛要請」を行った都府県の首長が、「国としてもきちんとした補償を」と求めているのは当然のことではありませんか。
 このことすら理解できず、その要請を拒み続けているのが安倍首相です。政治の要諦は国民の生命とくらしを守ることだということが理解できない為政者が国のトップであるという点に、新型コロナウイルスによる危機に直面しているこの国の最大の危機があると言うべきではないでしょうか。

 このような中で、7月5日に都知事選を控えている小池百合子都知事は、連日、記者会見を開いて外出しないように訴えるスポットをテレビに流しています。新型コロナウイルスに対する都民の不安と危機に付け込む形で、それと戦う自らの姿をアピールしているわけです。
 「惨事便乗型ショック・ドクトリン」に倣って言えば、「惨事便乗型選挙活動」というべきでしょうか。新型コロナウイルスの蔓延という「惨事」に便乗して、秘かに都知事選に向けての準備を始めているように見えます。
 秋に大統領選挙を控えているアメリカのトランプ大統領も、連日、記者会見を開いて新型コロナウイルスと戦う自らの姿をアピールしています。洋の東西を問わず。選挙を控えている政治家が意図することは同じだということでしょうか。

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