SSブログ

6月15日(月) コロナ禍の下で生存権を守るための都知事選挙 [論攷]

〔以下の論攷は、日本科学者会議の『東京支部つうしん』No.632、2020年6月10日付、に掲載されたものです。〕

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界的なパンデミックが生じました。このコロナ禍の下で、大きな政治戦が闘われようとしています。7月5日投票で実施される東京都知事選挙です。この選挙は、いつにも増して重大な意義を持つ選挙になっています。
 感染症の拡大によって現代社会が持っている問題点や矛盾、脆弱性が露わになりました。これを解決して都民の命と健康、くらし最優先で生存権を守ることのできる都知事を選び、効率・開発優先の都政を転換しなければなりません。PCR検査を抜本的に強化し、本格的な補償と支援を行うべきです。
 小池都知事は名前を売り込むテレビスポットを流したり、必要性のはっきりしない記者会見や動画配信を行ったり、コロナ禍を利用した選挙運動まがいの売り込みを図ってきました。安倍首相に比べればまだましに見えますが、それはマスク2枚の配布や自宅でくつろぐ動画の配信など、首相の対策があまりにも拙劣でピント外れであるための錯覚にすぎません。
 新自由主義の下、自己責任論を強めて福祉を削り、71ヵ所あった保健所を31カ所に削減するなど公的医療を縮小させ社会を支える基盤となる予算を減らしてきたのが、この間の都政運営でした、都立・公社病院の独立行政法人化を阻止し、医療体制の充実を図る必要があります。
 今度の選挙は小池都政に対する業績評価の機会でもあります。4年前に小池候補は築地市場の豊洲市場への移転見直しや五輪経費の見直しなどを主張しましたが、豊洲移転は延期しただけで五輪の負担軽減もできませんでした。「7つのゼロ」公約も、ペット殺処分を除けば、待機児童、介護離職、残業、電柱、満員電車、多摩格差などについては、どれも未達成か検証不能となっています。
 東京五輪については、延期による負担増の問題が生じました。航空機の羽田新ルートの受け入れやカジノ導入のための調査費の計上など、都民の要求に反する都政運営も目立ちます。これらに対する審判を下すことが必要です。
 また、今度の都知事選挙は末期症状を呈している安倍政権に対して「ノー」を突きつける絶好の機会でもあります。コロナ対策の遅れ、黒川検事長の定年延長と検察庁法改定の断念、賭け麻雀での辞任などをめぐって内閣支持率は急落しています。
 国政に対する国民の批判と怒りを政府・自民党にぶつけ、日本の政治を正すために、この審判の機会を生かすことが必要です。そのためにも、野党は共闘体制を確立し統一候補を擁立して欲しいものです。この選挙で野党共闘候補が勝利すれば、安倍政権に痛打を与えることができ、日本の政治を変えることができます。
 東京が変われば日本は変わります。今度の都知事選挙で、都民の生存権を守り、生活を支えることのできる都政を実現することによって、「ポストコロナ社会」にふさわしい共生と連帯の革新都政を実現しようではありませんか。

nice!(0) 

nice! 0