SSブログ

7月10日(金)  『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』7月10日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「現実になったコロナ禍での天変地異 本当の地獄はこれから」

 今回、50人超が亡くなるなど大きな被害を受けた熊本県の球磨川流域は、事前に浸水が予想されていた地域だ。国交省発表の洪水浸水ハザードマップと、実際の被害地域はほぼ重なる。球磨川に続き氾濫した大分・福岡両県を流れる筑後川や、岐阜県の飛騨川や長野県の河川の被害も同様である。

 つまり被害を予想できたはずなのに、この政権が有効な対策を打たなかったことを物語る。対策を打たない予測は無意味だ。

 「この先も巨大台風などの水害が起こるのは間違いない。もっと言えば、首都直下や南海トラフの巨大地震だって、いつ発生してもおかしくありません。災害列島を預かる国のトップなら防災省を発足させ、本気で災害対策に乗り出すべきです。防衛省の『衛』の字を『災』に替えれば済む簡単な話で、安倍政権は安全保障の対象を勘違いしています。備えるべきは外からの攻撃ではない。恒常的に大きな被害をもたらす『内なる危機』に、あまりにも無防備過ぎます」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 経営危機に瀕しているのは、コロナ対策の先頭に立った病院だけではない。日本病院会と日本医師会の調査によると、耳鼻科、小児科、眼科なども患者数が激減。両会とも「当面の資金不足やボーナスカットを回避する緊急措置」を国に要請しているが、安倍政権はゼロ回答。医療機関がバタバタ潰れる瀬戸際なのに、知らんぷりだ。前出の五十嵐仁氏が言う。

 「新型コロナの第2波到来と、世界恐慌以来とされる空前のコロナ大不況は、これからが本番です。ところが、安倍首相は自民党本部から破格の1・5億円の資金提供が元手と疑われる河井夫妻の買収事件の火の粉が及ばないよう保身に走り、サッサと通常国会を幕引き。自らが疑惑の中心にいる桜を見る会の醜聞潰しにも汲々としています。この調子だと、今回の豪雨被害を手当てする補正予算案審議の臨時国会すら開こうとせず、2次補正で10兆円も積み上げた異例の予備費を回し、お茶を濁しかねません。国民の命を軽視し政権延命を最優先。とことん、自分ファーストの首相です」

 身勝手首相をいつまでも許している限り、コロナ禍の天変地異という地獄絵の先に、この国と国民は生き残れないことを覚悟すべきだ。

nice!(0) 

nice! 0