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9月12日(土) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』9月11日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「国民は「安倍継承」を求めていない 自民党内だけの菅人気」

 「身内だけの菅人気」の傾向は他の調査からもうかがえる。4~6日実施の読売新聞の調査によると、次の首相にふさわしい人は菅46%、石破33%の順。これは全体の数字で、自民支持層は菅63%と石破22%を圧倒するが、無党派層に絞れば石破が39%、菅は33%と逆転を許している。

 安倍継承なんて身内の論理で、決して国民全般に受け入れられているわけではないのだ。

 「安倍政権下の世論調査では改憲や安保法制、年金、消費税など個別の政策の評価を聞くと、6~7割は支持してこなかった。モリカケ、桜、IR汚職、河井夫妻の選挙買収など安倍政治の『負の遺産』も、菅氏は継承することになりますが、これらの説明に国民の8割は納得していません。揚げ句がコロナ対策で、アベノマスクなどの愚策で世論の支持を失い、行き詰まったのが、安倍政治の実情です。その路線を引き継ぐことに、多くの国民は冷ややかです」(法大名誉教授・五十嵐仁氏=政治学)

 前出の五十嵐仁氏はこう言った。

 「党員・党友票を省いた総裁選が象徴的で、今の自民党は地方の課題や国民の多様な意見を聞く、かつての『国民政党』の姿を自ら放棄しています。菅氏の『安倍継承』とは人事を牛耳る官僚支配や疑惑隠し、メディア統制、身内びいきなど独善的な1強体制を引き継ぐことを意味し、さらなる分断と対立を招来させるのでしょう。ただ、異論や反対意見に不安を覚える1強体制はもろい。コロナ禍と米国の黒人差別反対運動で生じた協調と多様性を重んじる国際世論にも反しており、時代の要請に応えられない政権となるだけです」

 驚くほど国民意識と乖離した自民党の内輪の論理。こんな古い発想に支えられた菅が「新」政権を発足させるなんて、悪い冗談でしかない。




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