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10月21日(水) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』10月20日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「正体露呈・目玉も空振り “ご祝儀内閣支持率”急落の必然」

 答弁能力を不安視する声は自民党内にもあり、国会論戦で馬脚を現せば、ますます支持率は下落していくだろう。

“やってる感”だけでどこまで引っ張れるか

 漠然とした期待に応えられなかった安倍第1次政権もそうだった。発足直後は65%前後と高い支持を得ていたが、能力不足や閣僚の不祥事、年金問題などで毎月のように支持率を下げ続け、回復基調になることがないまま、約1年で政権ブン投げに追い込まれた。周囲をオトモダチで固め、トップに上り詰めた高揚感だけで政権運営に乗り出した甘さは、今の菅政権にダブる。

 「学術会議の問題では、人事を振りかざして強権を発動する危険な本性があらわになった。叩き上げの『パンケーキおじさん』という国民受けを狙ったイメージ戦略は早くも崩れ、就任1カ月で地金が出た印象です。そもそも安倍長期政権の官房長官として睨みを利かせ、汚れ仕事を一手にやっていた人ですから、そういう人が表舞台に出てきて傍若無人に振る舞うことには空恐ろしさを感じる。第2次安倍政権は最低最悪と思っていましたが、下には下があるということを思い知らされました。携帯料金値下げや不妊治療の保険適用など、実利実益を目の前にぶら下げれば政権を維持できると国民をナメているのでしょうが、安倍政権から継承した“やってる感”だけでどこまで引っ張れるのか。目玉政策の『Go To キャンペーン』も混乱続きで、勝ち組だけがいい思いをする仕組みだという認識が広がっている。大マスコミは上から目線の懐柔策でコントロールできても、国会や世論はそんなに甘くありません」(法大名誉教授の五十嵐仁氏=政治学)

 新型コロナウイルス感染拡大に目をつぶって経済を優先する「Go To トラベル」には当初から国民の不安が高かったが、スタート直前に東京を除外することになり、キャンセル発生の対応で混乱を招いた。その後も高級旅館に予約が集中して金持ち優遇の批判が起きたり、割引料金の上限がひっそり引き下げられていたりと制度設計の甘さが次々と露呈している。

 大体、コロナ禍で生活が困窮している国民は、優雅に旅行なんてしていられる状況ではないのだ。職を失い、瀬戸際に立たされている人もいる。満足に食事をとれない子どももいる。そういう困窮の実情が、菅に見えているのだろうか。


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