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12月4日(金) 『日刊ゲンダイ』に掲載されたコメント [コメント]

〔以下のコメントは『日刊ゲンダイ』12月4日付に掲載されたものです。〕

*巻頭特集「上から下まで金まみれ 安倍・菅政権から漂う腐臭」

 大物ヤクザほど敏腕弁護士を雇うのと同じ理屈で、ヤクザ政権だからこそ、自分たちの悪事が露呈しないよう、黒川弘務東京高検検事長を“闇の守護神”として検事総長に据えたかったのだろう。そう考えれば、国会審議をすっ飛ばし、法曹界から猛反対されても強引な法解釈で黒川検事総長誕生に突き進んだ理由が分かるというものだ。

 そして、河井や吉川に限らず、そんな「ヤクザ体質」を踏襲した菅もまた、怪しい話がゴマンとある。金額を小口化して献金者を隠していた疑惑のほか、週刊ポスト(12月11日号)が<菅首相の2500人パーティー 政治資金報告書に不記載だった>と題して報じた疑惑だ。記事によると、「桜を見る会」の前夜祭問題と同様、菅が地元・横浜のホテルでパーティーを開きながら自身の資金管理団体や政党支部の収支報告書に収支の記載がなかったという。

 2代続けて首相に“怪しいカネ”の疑惑が指摘されるなんて近代民主主義国家として恥ずかしい限り。堕落極まりない腐臭政治に絶望的な気分になる。本来は国民から怒りのシュプレヒコールが起きても不思議じゃないが、なぜか静かなまま。新型コロナ禍で世論は腐臭に対する嗅覚すら失ってしまったのか分からないが、心ある国民にはもはや耐えられないはずだ。法大名誉教授の五十嵐仁氏(政治学)はこう言う。

 「すべての原因は安倍前首相、安倍政権でしょう。検察組織の機能を麻痺させ、総理自ら悪事の仕方、逃れ方のお手本を見せていたからです。そして、その安倍政権を官房長官として支え、引き継いだのが菅政権であり、この間、自民党政治家は何をしても責任を取らず、罰せられることもなく、その状況に国民は無力感を覚えてしまった。その結果が今の国家の堕落、政治家の劣化を引き起こしたのであり、いい加減、政治の正常化を取り戻すべき時です」

 検察は今こそ、踏ん張る時だ。

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